生理前のめまいがつらい……排卵後の不調のオンパレードに毎月げんなり!

体験談

生理の前になると、頭痛やむくみなどのさまざまな体調不良とともにフワフワするめまいがして倒れそうになる、出血量の多い日は立ちくらみがする……。
30〜40代のプレ更年期世代の女性のなかには、こうした「月経にともなうめまい」に悩んでいる方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

このような自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「月経にともなうめまい」をテーマに、薬剤師の清水みゆき先生にお話を伺ってみました。

普段は元気な私の月イチ不調…生理前はめまいと痛みで絶不調に

菜津美さん(33歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

会社を休むほどでもないのですが、ここ数年、なんだか体調が悪いと感じます。もともと冷え症なんですが、特に生理の前になると、手足やお腹が冷えて痛むのに加え、フワフワとするめまいも起きます。めまいといっても、立っていられないほどの状態ではなく、少し休めば落ち着く程度ではあるのですが……普段はめまいが起きることなどないので、不安になります。
排卵痛もひどく、頭痛や吐き気がある生理前に限って、めまいも起きるので、普段は元気な私もこのときばかりはぐったりです。もうすぐ生理か……と思うとテンションも下がってしまいます。
念のため耳鼻科と婦人科を受診しましたが、特に異常はありませんでした。婦人科では月経前症候群かもしれないとのことでした。医師からは『ピルを飲んで生理前の症状を改善していく治療法もある』と提案されましたが、なんとなくピルに抵抗感があります。できればセルフケアで少しずつ改善していけたらと思っています。
何か良い改善方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
月経が来る前の排卵日以降、ホルモンのバランスが大きく変わるため、女性の体はホルモンの影響でめまいやむくみ、頭痛や肌荒れなどさまざまな不調が起こりがちです。
今回は、月経にともなうめまいの原因や改善方法について詳しくお伝えしていきましょう。

月経にともなうめまいはPMSと貧血が原因

月経にともなうめまいの原因としては、ホルモンの変化にともなってさまざまな不調が起こる「PMS(月経症候群)」によるものと、月経時の失血により鉄欠乏性貧血の状態になることで起こるものが考えられます。
排卵後に多く分泌される黄体ホルモン「プロゲステロン」は、脳内の神経伝達物質や体内の水分代謝に影響するため、めまいや立ちくらみを引き起こします。

また、月経中の失血により、血液中の酸素を全身に運搬するヘモグロビンが減少して体が酸素不足になることや、子宮周辺に血液が集中して脳に血液がいきわたらなくなることもめまいの原因になります。

東洋医学では、ホルモンバランスの乱れが引き起こす耳や脳における血液や水分の循環が低下や自律神経の乱れが原因でめまいが生じると考えられています。

次の章では「月経にともなうめまい」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

月経にともなうめまいを改善する対処法3選

1.規則正しい生活と運動習慣を身につける

PMSにより他のさまざまな不調とともにめまいの症状が起こる場合は、疲労やストレスをできるだけ溜め込まないようにしましょう。そして、食生活や睡眠時間を見直して規則正しい生活を送ることを心がけてみましょう。
ストレッチやウォーキングなどの軽い運動を習慣づけることも、血行や代謝を促進し、めまいをはじめとするPMSの症状の緩和に効果的です。

2.月経で失われた鉄分を補給する

月経にともなう鉄欠乏性貧血によってめまいが起こる場合は、失われた鉄分を補う必要があります。
鉄分の不足を補うために、バランスのとれた食事を摂りましょう。また、栄養不足を招く過度なダイエットは避け、普段の食生活にも鉄分が豊富に含まれる食材を積極的に摂るようにすることも大切です。
食事内容の見直しだけで改善できない貧血症状がある場合は、医療機関を受診し、鉄剤の服用や注射による貧血治療が必要になることもあります。

◎鉄分の豊富な食べ物
レバー・赤身肉・マグロ・青魚・小松菜・大豆など

3.体を温めて血の巡りを良くする

月経にともなうめまいは、体の冷えで血行が悪くなって生じる子宮筋の硬直や骨盤内のうっ血が原因となっている場合があります。
季節を通して体を冷やさないように対策をしましょう。保温効果のあるインナーを着用する、冷房のきいた環境で過ごすときは羽織物やひざ掛けを常備する、夏でも靴下を履くようにするなど、体を冷やさないようにしましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

月経にともなうめまいを改善するためには、セルフケアに加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)です。水分の循環や胃腸の働きをよくして、吐き気をともなうめまいを和らげる効果があります。
また、めまいに加えて肩こりやイライラ感などのある方には、自律神経を整えつつ体内の水分や血液の循環を良くして、めまいを改善する効果のある釣藤散(チョウトウサン)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「あんしん漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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体内の巡りを良くし、鉄分を摂取しましょう

今回は、月経にともなうめまいに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。症状の改善には、規則正しい生活や適度な運動により体内の血液や水分の巡りを良くすること、月経時の失血による失われた鉄分を食生活で補うことが大切です。

また、めまいの症状は脳腫瘍、脳梗塞などの重篤な疾患の症状として起こる可能性もあります。激しい頭痛や手足のしびれがあり、こうした疾患が疑われる場合は、早急に医療機関へ受診するようにしましょう。

月経にともなうめまいの症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。


清水みゆき

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 清水みゆき 漢方薬・生薬認定薬剤師  JAMHA認定ハーバルセラピスト 製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。 現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中です。

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