激しい咳に五虎湯(ごことう)

漢方事典

「五虎湯は激しい咳によく使われます」

処方のポイント

発熱し激しいせきに用いられる麻杏甘石湯に、呼吸噐の熱を下げ痰を出しやすくする桑白皮を加えたものです。からだが熱く、激しく咳き込む症状等に適応します。甘辛味で、温服が効果的です。

五虎湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

咳、気管支ぜんそく。

漢方的適応病態

肺熱の喘咳。すなわち、咳嗽、呼吸困難、呼吸促迫、口渇、熱感、発熱、無汗あるいは有汗などの症候に、さらに炎症が加わったもの。

五虎湯の特徴

五虎湯は麻杏甘石湯に桑白皮を加味した内容です。味が淡味で服用しやすく、小児には最適な鎮咳薬とされています。

五虎湯の組成や効能について

組成

「麻杏甘石湯」+桑白皮6

効能

宣瀉肺熱・平喘止咳

主治

肺熱の咳・喘

解説

五虎湯の効能、主治は「麻杏甘石湯」と同じですが、桑白皮を加えることによって化痰平喘作用を強めています。桑白皮は寒の薬性によって肺熱を清すると同時に、熱の性質によって上逆した肺の邪気を瀉することもできます。肺熱、肺気の上逆による痰および重症の咳嗽、喘息に適しています。

臨床応用

◇喘息

発熱、痰が黄色い、口渴、舌尖紅・苔黄など肺熱による喘息に適しています。喘息もちの人が常備すると便利な処方です。

◇咳嗽

痰が黄色い、呼吸急迫、口渇、舌尖紅、苔黄等の肺熱による咳嗽に適しています。

主として急性気管支炎の治療に用います。

◎熱が高いとき+「白虎加人参湯」(清熱生津)

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