猪苓湯合四物湯(ちよれいとうごうしもつとう)は尿トラブルに

泌尿器症状

猪苓湯合四物湯(ちよれいとうごうしもつとう)は尿トラブルによく使われる漢方薬です。

処方のポイント

利尿作用のある「猪苓湯」に、血液を補強する「四物湯」を合わせたものです。
排尿痛や持続する血尿等の尿トラブルに適応し、甘辛味で温服が効果的。

猪苓湯合四物湯が適応となる病名・病態

保険適応病名・病態

効能または効果

皮膚が枯燥し、色つやの悪い体質で胃腸障害のない人の次の諸症:排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿。

漢方的適応病態

血虚と水熱互結(湿熱)。
すなわち血虚状態に発熱、熱感、口渇、排尿障害、尿量減少が見られ、いらいらや不眠などを伴うことがある状態。

猪苓湯合四物湯の組成や効能について

組成

猪苓3 茯苓3 沢瀉3 滑石3 阿膠3 地黄3 白芍3 当帰3 川芎3

効能

養血活血・利水清熱

主治

血虚血瘀・水停下焦

解説

猪苓湯合四物湯は日本の経験方で、「猪苓湯」と「四物湯」の処方です。
「四物湯」には養血活血の作用があるので、利水清熱の「猪苓湯」と併用すると水と血を同時に治療でき、慢性化した膀胱症状に用いられます。

臨床応用

◇淋症

排尿障害、頻尿などの膀胱症状に眩暈、面白、疲労倦怠感、月経不順、舌淡、脈細弱など陰血不足の症状をともなうときに使用されます。

◇血尿

血分に作用する薬が多いので、特に血尿の改善に効果があります。
原因不明の血尿、結石による血尿の治療に多く用いられます。

関連記事