脳梗塞を予防するには?なりやすい性格や危険因子を知ろう

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脳梗塞にはいくつもの危険因子があります。危険因子を持っている人は脳梗塞を発症しやすい人といえます。

ここでは脳梗塞になりやすい性格やいくつもの危険因子を確認し、日常生活の中でできる予防法について解説します。

脳梗塞になりやすい性格はある?

脳梗塞になりやすい性格はあるのでしょうか?

実はあります。ストレスを受けやすい人は脳卒中のリスクが上昇すると言われています。

・生活が忙しい
・いつも時間に追われている
・仕事に熱中しやすい
・仕事に熱中すると気持ちの切り替えがしにくい
・徹底的にやらないと気がすまない
・自分の仕事に自信を持っている
・緊張しやすい
・イライラしやすい、怒りやすい
・几帳面・負けず嫌い
・気性が激しい
・仕事などで他人と競争意識を持ちやすい

上の項目に多く当てはまる人は慢性的にストレスを受けていると考えられます。

だからといって性格や行動パターンを変えるのは難しいですよね。しかし、周りの環境を変えたり、リラクゼーションを取り入れてストレスの影響を改善することはできます。

自分はストレスを受けやすいタイプだと思った人は、意識してストレス緩和の方法を考えてみましょう。

脳梗塞の危険因子

脳梗塞には次のような危険因子があります。

・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・心房細動

順に見ていきましょう。

高血圧

高血圧は脳梗塞の発症に対して最大の危険因子となっています。

日本では、収縮期血圧160mmHg以上の脳梗塞の発症リスクは3.46倍、拡張期血圧95mmHg以上では3.18倍といわれています。目標血圧値は140/90mmHg未満であり、降圧治療をすることで脳卒中の発症が約30%減少するといわれています。

血圧は徐々に高くなるもので、特に症状はないので、知らないうちに高血圧になっている方も多いです。血圧測定器を持っていない方もいるかと思います。病院には血圧測定器が置いてありますので、受診した際に血圧を測定してみるとよいでしょう。

糖尿病

中高年になって発病する糖尿病の多くはインスリンの働きを感じにくくなる2型糖尿病です。2型糖尿病の場合、血糖の管理が大変ですが、血糖の管理そのものが脳卒中を予防するという因果関係は明らかにはなっていません。

しかし、糖尿病の方は血圧管理をより厳重に行う必要があり、血圧130/80mmHg未満を目指すことがすすめられています。

脂質異常症

血液中の脂質は血管を詰まらせる原因になり脳梗塞が発症する危険性が高くなります。総コレステロール値が1nmol/L(38.7mg/dL)増えると脳梗塞の発症率が25%増加することが明らかになっています。

運動療法や食事療法で改善する場合もありますが、なかなか改善が乏しい場合は早急に薬の導入をしましょう。脂質異常症患者に薬を使って治療した場合、脳卒中の発症頻度が23%低下するとの報告があります。自身の血圧と血清コレステロールの値を適宜計測し、脳卒中のリスクはないか確かめてみましょう。

心房細動

心房細動は不整脈の一種です。心房細動があると、心臓の中の血液がよどんで、血栓(血のかたまり)ができやすくなります。

心臓でできた血栓が脳の血管で詰まると脳梗塞になります。不整脈のコントロールや血を固まりにくくする薬を飲んで再発の危険性を減らすことが大切です。

脳梗塞を予防するポイント

日々の生活の中で脳梗塞を予防するポイントはたくさんあります。ポイントを詳しく見ていきましょう。

食事

食事で重要なことは1日の適正カロリー量をまもることです。身長や活動度によって必要なカロリー量が決まってきます。

過度なカロリー摂取は肥満や生活習慣病の原因となります。過度な糖分や炭水化物の摂取は血糖値の上昇につながります。

食塩は1日8g未満が目標となります。さらに、高血圧のある方は6g未満が目標となります。漬物や梅干し、ラーメンの汁など塩分の高い食品を避けたり、量を少なくするなど工夫が必要となります。

飲酒・喫煙

大量飲酒の習慣は脳梗塞の発症リスクを高めます。少量から中等量の飲酒(アルコール1~149mg/週、ビール350mLを1本として毎週6本程度が目安)では脳卒中の発症率が低下するといわれています。

450mg/週以上の大量飲酒では全脳卒中の発症率は68%増加します。脳卒中予防のためには飲酒は中等量にとどめておきましょう。また飲酒の際には塩分の高い食事をとりがちなので気をつけましょう。

喫煙は各種の癌の原因となるだけでなく、動脈硬化を進行させ脳卒中や心筋梗塞のリスクをあげます。脳卒中の既往のある方や生活習慣病の方は禁煙を進めましょう。

運動

運動することは、エネルギーを消費するだけでなく生活習慣病の予防や改善につながります。ウォーキングなどの軽い運動でも十分な効果が得られますので、散歩からはじめましょう。

ただし、まだ体のあたたまっていない早朝の運動は体に負担をかけますので日中の運動を行いましょう。また、過度の運動は逆に脱水症などリスクを上げる可能性がありますので、控えましょう。外が暑い場合などは、水筒などを持参して水分補給を行うことが大切です。

入浴

特に冬場では、お風呂やトイレ、寝室など温度変化が生じる場合が多く、それにより血圧が大きく変動し脳卒中の原因となることがあります。脱衣所を暖めておく、風呂はぬるめで短時間にする、半身浴にする、シャワーにするなど工夫が大切です。

薬によるコントロール

脳卒中の再発を予防するためには、高血圧、脂質異常症、糖尿病などのコントロールが重要なため、上記のような生活習慣の努力で改善しない場合には投薬によるしっかりとしたコントロールが大事です。

脳梗塞では再発を予防するために血をサラサラにし、血栓(血のかたまり)をできにくくするお薬を飲んでいきます。すべての脳梗塞を防ぐことはできませんが、一定程度脳梗塞の再発のリスクを下げるといわれています。薬の種類には抗血小板薬、抗凝固薬などがあり、脳梗塞のタイプによってどの薬を使うか決定されます。

日常生活の中にもさまざまな脳梗塞を予防するポイントがあります。自分もしくは家族の生活を振り返ってみて、脳梗塞のリスクがあると思われるときは積極的に予防に努めましょう。

白水寛理

九州大学病院 脳神経外科 医師   九州大学大学院医学研究院脳神経外科にて脳神経学を研究、高血圧・頭痛・脳卒中など脳に関する疾患に精通。臨床の場でも高血圧、頭痛、脳卒中など脳に関する治療にあたる。 日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会、日本小児神経学会、日本てんかん外科学会、日本脳神経血管内治療学会に所属。

プロフィール

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