少し食べただけでお腹が出る!ぽっこりお腹の原因と改善方法
太っているわけではないのに、食事をするとお腹がぽっこりと出てしまう方はいませんか? 何が原因でお腹が出てしまうのか気になりますよね。ここでは少し食べただけでお腹が出てしまう原因と対策方法について解説します。
少し食べただけでお腹が出る原因
少し食べただけでお腹が出るときは、次のような原因が考えられます。
胃下垂
胃下垂とは、胃が正常な位置よりも垂れ下がった状態を指しており、有意な自覚症状がなければ胃下垂自体は病的なものではありませんが、過剰に垂れ下がりすぎると胃のぜん動運動を妨げて胃腸の働きが低下してしまいます。
この状態を胃腸虚弱と呼んでおり、消化不良から端を発して食欲不振、腹部膨満感、胃もたれ、吐き気、胸焼けなど多種多様な消化器症状が出現します。
胃の動きが悪くなれば消化不良に伴って少量食事をしただけでお腹が出る、胃もたれや胃痛、ゲップ、胸焼け、嘔気、食欲不振、食後の腹部膨満感などの症状が出現します。
また胃下垂の場合、毎回の食後に下腹部が突出することがありますので、身体全体の重心が片方に傾いて、自然と姿勢が悪化するなど美容的な苦悩も存在します。
お腹にガスがたまっている
少量の食事を食べただけでお腹がポッコリ出る原因の一つとして、お腹にガスが溜まるガスだまりが考えられます。
ガスだまりとは、ガスが集まって大きな塊になった状態であり、ガスだまりができると、腸はガスで大きく膨らんでしまい、動きが弱まることでさらにガスをため込み悪循環に陥ります。
特に、よく噛まないで食べる人などにおいて食事と一緒に空気をたくさん飲み込んでしまうと、腸内にガスとして溜まりやすくなり、少し食べただけでお腹がポッコリ出ることがあります。
また、長時間同じ姿勢を続ける場合にもガスだまりになりやすく、デスクワークで座っている時間が長い際には腸が圧迫されて胃腸の働きを鈍らせてしまうことも想定されます。
外出先で便意やおならを我慢し続けると、腸に負担をかけて働きが悪くなり、ガスが出にくい状態になります。また、生理前のホルモンバランス変化に伴って腸のぜん動運動が弱くなって少量食事を摂取しただけでお腹がポッコリ出やすいと言われています。
姿勢が悪い
あまりおなかに脂肪がついていないのにぽっこりお腹が目立つ人や、お腹が張りだしている人は、普段の姿勢が悪いのかもしれません。
生活習慣の乱れや筋力の偏りなどにより、猫背(ねこぜ)と反り腰(そりごし)など不適切な姿勢が習慣になっている場合には、少し食べただけでお腹がポッコリ出る症状を自覚する可能性があります。
ぽっこりお腹の正体は、皮下脂肪ばかりではなく、日常的にとっている姿勢によって、お腹が出ている印象を作っているおそれがあります。
注目したいのが骨盤であり、骨盤が前に傾いていると、背中が過度に反った姿勢になり、その結果、お腹が前に突き出てしまいますし、骨盤が後ろに傾いていると、猫背で下腹だけがぽっこり出てしまいます。
猫背とは、背中が丸まり、骨盤が後ろに倒れた(後傾)状態に代表される姿勢であると考えられています。
実際、胃下垂は普段から猫背の姿勢をとる人に多く、猫背によって体が前屈みになって上半身の重量によって胃が上部から物理的な圧迫を受けることで胃下垂になりやすいと考えられています。
したがって、日常的に猫背を改善するために、背筋を伸ばして適切な姿勢を心がけるとともに、体幹部の筋肉を鍛えることで胃下垂に伴う症状が軽快する可能性があります。
長時間座り姿勢を続けるとき、途中で疲れてきて、背もたれに強く背中を預け、腰が前に突き出た姿勢を「ずっこけ座り」と呼んでいます。
長くずっこけ座りを行う生活を続けていると、骨盤が後ろに傾いてしまって胃腸の働きを弱くする可能性が懸念されますので、オフィスや家などで長時間椅子に座る傾向がある人は注意しましょう。
便秘
便秘自体によるお腹のハリも、ぽっこりお腹の原因になります。
便秘とは、本来体外に排出すべき便を十分量かつ快適に排出できない状態のことです。
ほとんどの場合、便を出す回数が減ることで、お腹の中に便が滞留すると言われていて、この状態になれば少量食事を摂取しただけでお腹がポッコリ出る症状が出現する可能性があります。
また、腸での内容物の発酵が進むことでガスが大量に発生し、おならが増えて腹部の膨満感が増すことも考えられます。
ぽっこりお腹の改善方法
ぽっこりお腹が気になっている方は次に紹介する改善方法を参考にしてみてください。
腸内環境を整える
運動不足の解消や、体幹の強化は、ぽっこりお腹を改善するとともに、便秘を改善する効果もあります。
ぽっこりお腹の改善策のひとつとして、善玉菌優位の健康な腸内環境をつくることが挙げられます。
腸の中には、約100兆個もの細菌(腸内細菌)がいて、それらの細菌には健康に良い善玉菌と、体に悪い悪玉菌がいます。
腸の中で悪玉菌が優勢になると腸内環境は悪化し、便秘傾向になることがあります。
腸内細菌は健康にさまざまな影響を及ぼしていて、善玉菌を増やすことは、便秘解消に有効的と考えられています。
腸内環境を改善する方法として、自分に合ったヨーグルトを見つけて毎日食べる、発酵食品やオリゴ糖、食物繊維などの成分を摂取する対処策が考えられます。
お腹周りの筋肉を鍛える
内臓を支える筋肉をエクササイズで鍛えて、ぽっこりした下腹部を引き締めましょう。
腹直筋や腹斜筋、腹横筋などの腹筋群を鍛えると、内臓下垂による下腹部のぽっこりは改善しますし、内臓を一番下で支える骨盤底筋を鍛えることで、特に出産を経験した女性の骨盤まわりのゆるみを予防する効果が期待できます。
悪い姿勢を改善する
反り腰や猫背を矯正するためには、自分の悪い姿勢に気づいて意識すること、縮んだ筋肉をストレッチで伸ばすこと、そして正しい姿勢を維持する筋肉を鍛えることが大切です。
特に、猫背の方は、胸を開くストレッチや、背中の筋肉を強化する必要がありますし、骨盤が後傾して下腹が出ている場合には、太ももの裏側の筋肉(ハムストリング)のストレッチも行いましょう。
そのうえで、体幹を強化し、日常的に悪い姿勢にならないことを意識します。
反り腰の方は、前ももの部分から腰にかけての筋肉(腸腰筋)を伸ばすストレッチ、あるいは背中を丸めるストレッチを行い、腹筋群や体幹を強化して普段から悪い姿勢にならないことを認識しておきましょう。
まとめ
これまで、少し食べただけでお腹が出るぽっこりお腹の原因と改善方法などを中心に解説してきました。
少し食べただけでお腹がポッコリ出るぽっこりお腹に多くの方が悩んでいて、その原因には胃下垂や便秘、悪い姿勢などさまざまな要素が考えられます。
日々の生活で腸内環境を整える、お腹周りの筋肉を鍛える、便秘を解消する、悪い姿勢を改善するなどの対策を講じて、ぽっこりお腹の改善に努めましょう。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。