手の指がつるのは病気の前兆?よくある原因と疑われる疾患

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手の指がつる原因としては水分やミネラルの不足、指の使いすぎなどが一般的です。一方で、中には何らかの病気が原因で手の指がつる場合もあります。ここでは手の指がつるよくある原因と関連する疾患について詳しく見ていきましょう。

手の指がつるよくある原因

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手の指がつるよくある原因として、ミネラル・水分の不足、冷え、などが挙げられます。

ミネラル不足

手の指がつる人は、栄養素が足りていない可能性があります。具体的には、カルシウムやマグネシウム、カリウム、ナトリウムといったミネラルの不足がつることにつながりやすいため、意図的に摂取するように心がけましょう。

ミネラルは、筋肉や神経が働く際に用いられる成分であり、不足する事で痙攣が起こります。ミネラルを摂取しやすい野菜や海藻、果物、乳製品などを積極的に食生活に取り入れましょう。

水分不足

筋肉が突然収縮して起こる「こむら返り」は、手の指などを含めてさまざまな筋肉がつることがあります。

特に、多量の汗をかく夏の季節などにおいては、手の指など身体の「つり」が起こりやすい季節であり、水分不足に伴って脱水になる、あるいはカリウムやナトリウムなどの電解質のバランスが崩れることで、神経伝達に不調が起こって、筋肉が異常な収縮を起こします。

手の指がつる症状を防ぐために、日常的にこまめな水分補給を心がけ、脱水状態にならないように気をつけましょう。

冷え

筋肉が慢性的に疲労する、あるいは水分や栄養分の不足以外にも、エアコンや扇風機の風に長時間当たって体が冷えることに伴って筋肉が冷え、血行が悪くなることで手の指のつり症状を招いてしまいます。

常日頃から、習慣として継続できる運動やストレッチ、入浴などで全身の血行を促し、特に就寝時は冷風に直接さらされることがないように手袋や靴下をはくといった工夫をしましょう。

手の指がつるのは病気の前兆?

手の指が頻繁につるようなら、何かの病気が関わっている可能性があります。次に挙げる疾患は手の指がつるという症状を伴うことがあります。

アイザック症候群

アイザック症候群とは、手足や体のけいれんが続く病気であり、放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたすようになります。

主に、胸腺腫や重症筋無力症を患っている場合に合併しやすいと言われています。

筋肉が肥大する、汗をたくさんかく、下痢や便秘を起こす、皮膚の色調が変化する、体温が高くなる、手足が激しく痛み手足の感覚異常が起こる場合には、アイザック症候群を疑います。

ジストニア

0~30歳代で発症することが多く、ジストニアのなかでも動作特異性ジストニアと呼ばれるものは、症状が体の一部位に起こります。

症状のあらわれている部位の酷使によるものが多く、ピアニスト・美容師・漫画家・歯科医・時計修理士などの特定の職業に多くみられます。

症状を放置すると、麻痺やしびれなどを起こすリスクがあります。

脳梗塞・心筋梗塞

手の指がつる場合、脳梗塞や心筋梗塞などの病気が隠れている可能性があります。

これらの場合には、胸部症状や神経症状に加えて、手の指がつる症状が突然あらわれることが多いです。

急激に胸痛や胸部違和感などを自覚して、手の指がつった際には心筋梗塞を想定する必要があります。

また、手の指がつる以外にも、急に手足の力が抜けて片足を引きずる、言葉が理解できない、言葉が出てこない、ふらふらしてまっすぐに歩けない、片方の手足がしびれる、急にめまいがする、ものが二重に見える、頭痛や嘔吐を覚える際には、脳梗塞を疑います。

脳の大血管が詰まって血が通わなくなり、脳の一部組織が壊死してしまう病気が脳梗塞であり、命を取り留めた場合でも約7割に後遺症が残るといわれています。

脳梗塞を予防するには、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの危険因子を管理し、禁煙や体重管理、運動など生活習慣の改善によって、脳梗塞が起こらないようにすることが大切です。

ばね指(弾発指)

ピアノ伴奏者や料理人・美容師など手指を使う職業で「ばね指」は以前からよく知られていますが、近年ではパソコンやスマートフォンの普及により身近な病気になりつつあります。

ばね指の原因は、パソコンやピアノの鍵盤を叩く、ゴルフやテニスなどの運動、包丁で野菜を大量に切るなどの行動を通して指を使い過ぎることです。

これらの動作を繰り返して行うことで腱鞘に負荷がかかり、炎症が引き起こされるとともに、繰り返して炎症が起これば、腱鞘は肥厚し腱は肥大することでスムーズに動かすことができません。動かそうと腱鞘や腱に負荷がかかり、より一層ばね指が悪化してしまうのです。

手の指の手の平側には指を曲げるための屈筋腱と呼ばれる組織があり、指に沿って先端の方まで伸びており、この屈筋腱は浮き上がることがないように靭帯性腱鞘というトンネルの中を通っています。

通常、指の曲げ伸ばし運動は屈筋腱が靭帯性腱鞘の中をスムーズに移動することによって実行されますが、何らかの原因により屈筋腱に炎症が引き起こされて腫れてしまうと、腱鞘の中をスムーズに移動することができなくなります。

曲げた指を伸ばそうとした時に腫れた部位が腱鞘に引っ掛かって伸ばしにくくなり、さらに無理やり伸ばそうとするとカクンとバネを弾いたような動きをすることから、「ばね指」と呼ばれています。

ばね指の典型的な症状には、指の付け根を押したときに痛みを感じる、指を曲げ伸ばしするときに引っ掛かる、起床時に指がスムーズに動かずに指が曲がったまま伸ばしにくいなどが挙げられます。

ばね指とは、指の腱鞘炎のようなものであり、指の付け根の痛みや、腫れ、熱感といった症状を伴うことが知られていて、これらの症状は、日常生活を送るなかでは緩和される傾向があり、主に朝方にかけて症状が強く出るとされています。

したがって、明け方に指がつるような感覚で目がさめることがよくある人は一度病院で診察してもらったほうがいいでしょう。

まとめ

これまで手の指がつるよくある原因や疑われる疾患などを中心に解説してきました。

手の指がつる状態は、筋肉が伸縮バランスを崩すことで異常な収縮を起こして、筋肉がこわばっている場合があります。

一般的には、栄養不足や水分不足、さらには冷えやばね指など様々な疾患によって引き起こされることもあります。

また、手の指がつる原因が重大な病気であるケースも考えられるので、症状が長引く際には、整形外科や循環器内科、脳神経内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

甲斐沼孟

産業医 甲斐沼孟医師。大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センター、大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センター、大阪大学医学部付属病院、国家公務員共済組合連合会大手前病院を経て、令和5年4月よりTOTO関西支社健康管理室室長。消化器外科や心臓血管外科領域、地域における救急診療に関する幅広い修練経験を持ち、学会発表や論文執筆など学術活動にも積極的に取り組む。 日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医・指導医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、大阪府知事認定難病指定医、大阪府医師会指定学校医、厚生労働省認定臨床研修指導医、日本職業・災害医学会認定労災補償指導医ほか。 「さまざまな病気や健康課題に関する悩みに対して、これまで培ってきた豊富な経験と専門知識を活かして貢献できれば幸いです」

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