痛風の痛みを和らげるには?役立つ薬とセルフケアを紹介
痛風の痛みに困っていらっしゃる方はいらっしゃいませんか。痛風の痛みは非常につらいことで知られています。ここでは痛風の痛みを和らげるのに役立つ薬や、セルフケアの方法について紹介します。
目次
痛風の痛みを和らげるのに役立つ薬
痛風の痛みを和らげるためにはどのような薬が使用されるのでしょうか。鎮痛薬と尿酸を下げる薬の2つに分けて紹介します。
鎮痛薬
先ずはなんと言っても鎮痛薬です。そもそも痛風というものは風が吹いても痛いという事からつけられた病名ですから、非常に強い痛みが特徴です。ですので、治療の第一歩は痛みを抑えることになります。
痛みを抑える薬には大きく分けて3種類あります。コルヒチン、NSAIDs、副腎皮質ステロイドという3種類です。これら三種類の中では、鎮痛効果においては特に有意差はないとされています。
コルヒチン
コルヒチンは昔から使われている痛風の痛み止めになります。特に発作が起こりそうと予兆が出ているときに使用する薬になります。内服するとすぐに効果が出てくるため、重用されています。しかし一方で下痢などの消化器系の副作用が多く、使用される頻度は少なくなっているのが現状です。
NSAIDs
NSAIDsとは、Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugsの頭文字を取った略称で、非ステロイド抗炎症薬のことです。炎症を抑えることで痛みを抑える薬になります。
痛風の痛みは、尿酸血症が関節内で炎症を引き起こすことによって起こっていますから、炎症を抑えることでその痛みを抑えてやろうという薬になります。
NSAIDsにはロキソニンやボルタレンも含まれていますが、痛風発作に対しては使用されません。痛風発作に対して使用されるNSAIDsとしてはインドメタシン、ナプロキセン、オキサフロジン、プラノプロフェンが使用されます。
痛風発作が起こっている時は、ほかの痛み止めの使い方とは違い、NSAIDsを一度に大量に短期間使用するという使い方をする場合があります。一気に痛風における炎症を鎮めることができます。
NSAIDsの副作用には胃粘膜障害があり、胃潰瘍などができやすくなってしまいます。また腎機能が元々悪い人も腎機能を悪くしてしまいますので使用に注意が必要です。
副腎皮質ステロイド
副腎皮質ステロイドも炎症を鎮めることで痛みを抑えてくれる薬になります。長期間ステロイドを使用すると様々な副作用が起こってきますが、痛風発作が起こっている間だけ使用するような使用の仕方であれば副作用は気にするほどではありません。先ほどのNSAIDsと同じように短期間多めに使用する事で一気に炎症を抑え、痛みを抑えます。
このように鎮痛薬を使用することでしっかりと痛みを抑えてやることが大事なのです。
尿酸を下げる薬
痛みの真っ最中には中々考えにくいですが、痛みが治まってきた頃からは再発予防を考えなくてはなりません。そのため、尿酸値を下げる薬が使用されるようになります。
尿酸値を下げる薬は二種類あります。
1つ目は尿酸生成抑制薬です。尿酸が体内で産生されることを抑える事で血液中の尿酸値を下げることができます。この種類にはアロプリノールという薬が使用されています。副作用としては発疹、胃腸障害、肝障害、骨髄障害などがあります。
2つ目は尿酸排泄促進薬です。尿酸の排出がうまくいっていないときに使用します。プロベネシドやベンズプロマロンといった薬がこれに当たります。尿酸は元々腎臓で一度排泄された後再吸収されるという特徴を持っています。この際吸収を阻害する事で、尿にそのまま尿酸が排泄されるようになります。
尿酸排泄促進薬は腎臓の機能が低下している場合には効果が不十分なことがあること、尿管結石ができやすくなることが注意点となります。そのため元々尿管結石がある場合は使用できません。
また、いずれの薬も急激に尿酸値を低下させてしまうと痛風発作を引き起こしてしまいますからゆっくりと治療を開始することが必要となっています。
痛風の痛みを和らげるセルフケア
薬以外に痛風の痛みを和らげるためにできるセルフケアにはどのようなものがあるのでしょうか。
患部を冷やす
まずは痛い部分を冷やしましょう。前述の通り、患部では炎症が起こっています。炎症が起こると熱を持ち、痛みを感じるようになります。そこを冷やすことで炎症を落ち着かせ、痛みを改善させることができます。
冷やし方としてはアイスノンを使用してもいいですし、氷を使用してもかまいません。とにかく冷えればいいです。ただし、冷感スプレーや冷感シートなどは実際に冷えるのではなく冷たく感じるだけですので効果はありません。
反対に温めてしまうと炎症部分を流れる血流量が増加する上に、血液が温まりますから白血球の働きが活発となって炎症が活性化され痛みがひどくなってしまうので注意してください。
水分をとる
水分を取ることには2つの効果があります。
まず1つ目は、尿酸の血中濃度を下げる効果です。脱水になると血液中の様々な成分が濃くなってしまいます。尿酸も例外ではなく、脱水の際には尿酸値は高くなってしまいます。水分を取ることで尿酸の濃度を低下させて少しでも発作の程度を軽くすることができます。
2つ目の効果としては、尿量を増加させる効果です。水分を多くとれば尿の量が増えます。尿酸は尿から排出されますから、尿量が増加すればそれだけ尿酸の排出量も増加しますので、早く尿酸値が低下し、痛みを改善させることができるようになります。
ツボを刺激する
痛風の痛みを抑えるツボとして、太白(たいはく)というツボが知られています。腰痛にも効果があると言われている、足の親指の付け根にあるツボです。人差し指で土踏まずから親指の方まですーっと指を動かし、指が引っかかって動かなくなる場所が太白のツボになります。骨の出っ張りのかかとよりの部分という事になります。
痛風の人が避けるべきNG行動
痛風の人が避けるべきNG行動を確認しておきましょう。
プリン体の多い食事
尿酸の原料となるプリン体が多く含まれている食事を避けるべきです。プリン体はレバー、赤身の魚、白子、肉類、エビ、ビールなどに含まれています。特に動物の内臓にはプリン体が多く含まれています。
DNA、RNA、ビール酵母、クロレラなどの健康食品もプリン体を含んでいます。それらを避けるとなると、野菜中心の食事内容が望ましいと言えます。キノコや海藻などもいい食生活となります。
痛風を避ける食事として、DASH食や地中海食と呼ばれる食事が提唱されています。
DASH食というのは果物・野菜・低脂肪の乳製品を中心としたコレステロール値が低い食事のことです。地中海食というのはオリーブオイルやフルーツ野菜等を中心として、赤身の肉を少なくした食事です。これらの食事を取り入れて痛風発作を避けるようにしましょう。
マッサージ
痛い場所を、痛みをなくそうとしてマッサージをする人がいますがこれは逆効果です。
痛みが起こっている場所は炎症が起こっている場所となります。炎症は血流が良くなると更にひどくなりますから、発作が起こっている場所をマッサージすると血流が良くなって炎症がひどくなり、痛みがひどくなってしまいます。
前述のように痛みが起こっている場所は安静にして冷やすようにしましょう。