「においが変わる?」ミドル男性が知るべき、年代で変わる体臭の科学
年を重ねるにつれて、自分の体臭が変わったと感じたことはありませんか? 若い頃とは異なるにおいに戸惑いながらも、何が起きているのか詳しく知らない男性は少なくありません。
今回は、汗と体臭の研究に取り組む株式会社マンダムの広報部・根岸さんに、男性の体臭がなぜ年代で異なるのか、そしてその研究への想いをお伺いしました。
体から立ち上るにおいの正体とは
__根岸さんは汗とにおい総研の運営に携わられているということですが、まずは体臭が発生する基本的なメカニズムについて教えていただけますか。
「体臭は、汗や皮脂そのものがにおうと思われていることが多いのですが、においの発生には常在細菌が関係しています。実は汗や皮脂そのものは、出たばかりのときにはにおわないのです」(根岸さん/以下同)
__意外です。では何がにおいを生み出すのでしょう?
「時間が経つにつれて、汗が皮脂と混ざり合い、そこで常在細菌が汗や皮脂を代謝したり、酸化が起きたりすることで、におい物質が発生します。
しかも、体の部位によって汗の種類(エクリン汗・アポクリン汗)や皮脂の種類(皮脂腺から出る皮脂・角質層の中にある脂質)と組み合わせが異なるため、発生するにおいも変わってきます。

また、においは年齢によっても変化します。10~20代は男女ともに『汗臭』が顕著ですが、男性特有のにおいとして30代半ばから50代にかけて後頭部から『ミドル脂臭』という別のにおいが出てきます。

さらに、50代を過ぎると胸や背中などの体幹部から『加齢臭』が出てくるなど、部位や年代によって本当に多様です」
ミドル男性が抱える体臭の変化
__30代半ばから50代のミドル男性の体臭対策にとって、とくに重要なポイントはどこにあるのでしょう?
「20代までは、新陳代謝が活発なため『汗臭』が強いというのが一般的です。ところが30代半ばに入ると、多くの男性が『においが変わった』と感じるようになります。その段階の臭いは『加齢臭』だと思われることもありますが、実は異なるものです」
__それが『ミドル脂臭』ですか?
「はい。2013年にマンダムが独自の研究を通じて解明したのですが、30代半ばから後頭部を中心に、『ミドル脂臭』という第三のにおいが発生していることが分かりました。多くの人が枕のにおいが変わってくると感じるのも、実はこのミドル脂臭が原因の可能性が高いです」

__ミドル脂臭は何が原因なのでしょう?
「ミドル脂臭は、ジアセチルというにおい成分が常在細菌によって代謝したものと、大気中の酸素や過酸化物質により酸化した皮脂が混ざることで発生します。
皮脂自体は肌を守るために必要なものですが、その皮脂が年とともにねっとりとした頭皮脂に変化し、ミドル脂臭はその皮脂に蓄積します。
ですから、汗を抑えるだけではミドル脂臭には対応できず、このねっとりとした頭皮脂をしっかり落とすことがミドル脂臭ケアのポイントなのです」

__人生の段階ごとに体臭の対策が異なるということですね?
「はい。男性の体臭は、大きく三つの段階に分けて考えられます。20代をピークとした『汗臭』、男性特有で40代をピークとした『ミドル脂臭』、そして50代半ば以降の『加齢臭』です。
各段階で発生部位や要因も異なり、対策も段階ごとに変えていき、上手にケアしていくことがポイントです」
取り組みへの想いと今後の展望

__マンダムが『汗とにおい総研』という形で研究情報を発信することにしたのはなぜでしょう?
「体臭は、人前で『困っている』『詳しく知りたい』などと話題にしづらい領域でもあります。
そして、性別や世代に関わらず清潔意識が高まっている今、『エチケット・マナー』として汗やにおいへの対策を行うことはもちろん、本人の悩みやコンプレックスを軽減し、人との関わりをよりスムーズにして、前向きな日常生活の実現に貢献できるよう研究開発を進めています。
汗やにおいに関するコンプレックスを持つ人たちに、正確な知識を得ていただき、自分たちにぴったりな対策を見つけることができればと考えています」
__取り組みのなかで、苦労されたことはありますか?
「『汗とにおい』というテーマは、生死に直接つながりにくい事象でもあるがゆえに、なかなか研究が優先されてこなかった領域です。その中でマンダムは、延べ2,000人を超える対象者の嗅覚測定やにおい成分の研究、産学連携の取り組みなど地道に研究を積み重ねてきました。
その過程で『ミドル脂臭』という新しいにおいを発見することができ、生活者の方が抱えるお悩みの要因を明らかにすることや、効果的な対処方法をお伝えすることでお役立ちの幅が広がりました」
__今日から心がけられることはありますか?
「一番大切なのは、自分の年代と今現れているにおいの特徴や傾向を知り、適切な対処をすることです。
対策はにおいの原因に応じて異なります。においに対する知識を得ていただくことで、適切な対策が見えてくるはずです」
__今後の展開についてお聞かせください。
「体臭に関する研究は継続中です。そうした情報を誰もが理解しやすく、自分ゴトとして対処ができるよう、研究情報サイト『汗とにおい総研』を中心に、さまざまな形で情報発信を行っていきます。
より多くの方が、自分たちの体臭や汗の課題と前向きに向き合えるようにしたいのです。2027年はマンダムの100周年を迎えますが、“汗とにおい”というテーマと向き合い続けてきた信頼を大事にしながら、より良い情報発信と商品開発を続けていきたいと思っています」
年代とともに移り変わる体臭の科学
本日は、株式会社マンダムの広報部・根岸さんに20代の汗臭、30代から50代にかけて男性に発生しやすいミドル脂臭、そして50代以降の加齢臭についてお話を伺いました。
それぞれの年代で異なる臭いが出てくるのは、肌の新陳代謝が変わり、皮脂の質も変わっていくから——根岸さんのお話からは、単に商品を開発・販売するだけでなく、生活者一人ひとりが自分たちの体の変化を理解し、年代に応じたケアを実践できるようにサポートしたいという強い信念が感じられました。
自分の体臭が何なのか、それがなぜ出ているのか、そして何をすれば改善するのか。そうした「知ること」から始まる、ポジティブな向き合い方が、実は私たちにとって最も重要な「身だしなみ」なのかもしれません。
<取材協力先>
株式会社マンダム
担当者:広報部 根岸 沙英様
本社所在地:大阪市中央区十二軒町5-12
企業公式サイト:https://www.mandom.co.jp/company/
商品公式URL:https://www.mandom.co.jp/sweat-smell/
<取材・編集>
健タメ!編集部


