生理のせいで月イチで離婚の危機!どうしたらこの感情爆発を抑えられますか?
生理前になると、普段なら何とも思わないことにイライラしてしまったり、気持ちをコントロールできなくなったり、そわそわして食欲が増してしまう、なんていうことはありませんか?
実は、多くの女性が悩んでいる生理時の不快な痛みは「腹痛」だけではありません。
自分ではどうにもならない生理時の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回は「生理前のイライラ」をテーマに、薬剤師の手塚智子先生へお話を伺ってみました。
目次
生理前になると精神状態がひどくて…つい離婚まで切り出してしまいました。
佳菜さん(38歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
若い頃はそうでもなかったのですが、30代半ばで出産してから、生理の前の精神状態がすごく悪化してしまい、困っています。
育児と家事に追われて忙しい夕食後の時間などに、夫が面白くもない冗談を言ってきただけで、カーッと頭に血が上って「は?バカなの?」というような冷たい反応をしてしまい、そこから何気無いことで大げんかに発展してしまうこともしばしば……。
先日は、怒りに任せて夫の大事な趣味をバカにしてしまい「そんな冷たい、嫌な性格だと思わなかった」と言われたことに逆ギレし、自分から離婚を切り出しました。そのあとも感情が高ぶるまま泣いたりして、夫には本当に迷惑をかけてしまいました。
もちろん、内心では夫のことが大好きですし、生理後の気分が穏やかな時には、周囲からもいつまでたっても仲良しでいいね、って言われることもあるくらいなんです。
どうにか生理前も気を確かに持って家族に優しくできる自分でいたいです。なにか良い方法はないでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
生理前の精神症状で夫婦仲にも影響がでてしまっているとのこと、ご自身で感情がコントロールできないのはつらいですよね。
今回は、生理前のイライラの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
ホルモンバランスの変化が月経前イライラの原因?
月経前のイライラは、月経前症候群(PMS)の症状の一つ。その原因ははっきりとはわかっていません。
排卵後~月経前の女性ホルモンやストレスに反応するアドレナリンという脳内ホルモンの変動、生活習慣の乱れ、ビタミンB6の不足など、さまざまな要因が関わっていると考えられています。
また、ほてりや便秘、体のむくみなどの生理前の特有の症状がストレスになり、イライラにつながることもあります。
東洋医学でいえば、月経前は子宮に血液が蓄えられるため、「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」が滞り、月経前症候群(PMS)が起こると考えられています。
次の章では、こうした悩ましい症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。
月経前のイライラを解決する毎日の習慣3選!
1.リラクゼーションできる入浴でスッキリ!
37度〜40度くらいのぬる湯にゆったりとつかることで気や血の巡りが良くなり、ストレスやイライラを緩和できます。また、足湯や半身浴でも温熱効果によってリラックス効果が得られます。
全身浴なら15~20分、半身浴なら20~30分を目安に、就寝の1~2時間前に入浴すると緊張や疲れ、イライラを解消し、良質な睡眠につながるでしょう。
アロマオイルを数滴垂らし、リフレッシュするのもオススメです。
2.気を巡らせる食べ物を摂ろう!
身体的にはもちろん、精神的にも影響が大きいものが「食」です。
月経前のイライラは、気が滞ることで引き起こされますので、気を巡らせる食べ物を積極的に摂りましょう。(セロリ、シソ、ミカン、大根、キノコ類、そばなど)
また、エストロゲンの低下もイライラを引き起こす要因の一つであるため、エストロゲンに似た作用をもつ大豆もオススメです。
大豆に含まれるイソフラボンにはエストロゲン様作用があるだけでなく、イソフラボンと腸内細菌により作られるエクオールが、PMSとの関連を示唆するデータも出ています。
その他にも栄養成分が豊富に含まれているため、「畑の肉」「ミラクルフード」とも呼ばれています。
日々の習慣に取り入れて、バランスの良い食事を心がけましょう。
3.アロマ&ハーブティーでリラックス!
「嗅覚」は、脳にダイレクトに作用するといわれています。
良い香りを嗅ぐことで、気持ちを安定させ、体内のバランスをコントロールすることができます。
活用法は様々で、お風呂に2~3滴垂らしたり、ティッシュやタオルに1~2滴垂らしたり、ぬるま湯を入れたマグカップに1~2滴垂らして香りを楽しむことができます。
また、ハーブティーには香りの効果と飲むことによる薬理効果がありますので、ぜひお好みのハーブティーを探してみてくださいね。
〈イライラを解消するアロマオイル〉
ラベンダー、ローズ、クラリセージ、ゼラニウム、ローマンカモミールなど。
〈イライラを解消するハーブティー〉
カモミール、チェストツリー、セントジョーンズワート、サフラワー、ジャスミン、ラズベリーリーフなど。
根本的な体質改善には漢方薬が効果的
月経時の頭痛を改善するために、市販薬やホルモン療法、抗うつ薬に頼るという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方にオススメしたい漢方薬は、加味逍遙散(カミショウヨウサン)です。
気・血の生成や巡りを改善し、血瘀(けつお)からくる月経異常、のぼせ、冷えだけでなく、気逆(きぎゃく)からくる神経の高ぶりや、気滞(きたい)からくる抑うつにも効果があります。
また、体力はあるけれど神経質になりすぎたり、不眠に悩まされている方には気・血の巡りを改善して余分な水分を除き、神経の高ぶりや痙攣を抑えてくれる抑肝散(ヨクカンサン)も良いでしょう。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
あんしん漢方のサービス紹介はこちらをご確認ください。
自分に合う方法を見つけて月経前の悩みを解決しましょう
今回は、月経前のイライラに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
月経前のつらい症状が出にくい身体をつくるには、日頃からセルフケアを意識することが大切です。
月経周期を理解し、自分に合ったやり方を見つけることで、少しでもイライラなどの不調がでないように心がけていきましょう。