生理前のひどいむくみでゾウ足に…この体の重さをどうにかして!

体験談

生理前になると足がゾウのようにパンパンになる、体が重くてなんだか顔も腫れぼったいような気がする…。
それは、もしかしたら月経前症候群(PMS)によるむくみの症状かも!?

月経前のイライラや情緒不安定、胸の張り、むくみ、 体重増加など、精神的あるいは身体的症状のことを「月経前症候群」と言います。
自分ではどうにもならない生理時の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「生理前のむくみ」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。 

生理前のむくみで動くのも嫌!スッキリする方法を教えて!

むくみに悩む女性の足

亜由美さん(34歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

もともとぽっちゃり気味の体型が悩みの種ではあったのですが、以前から生理前になるとむくみがひどくて、余計に体が重く感じるんです。
排卵日から生理までの間は特にだるくて、テレビを見ながらひたすらスナック菓子を食べ続けてしまうような日々を送っているせいか、体重は増えるしむくみはひどいし、なんとかしなくては、と思いながらもどうしていいかわからなくて…。
特に、長時間同じ体勢でいた後などは、ふくらはぎがパンパンに腫れて、ただでさえ太い足がまるでゾウみたいにむくんで痛いほど。
夫が「少しは動いた方がいいんじゃない」なんていうので、散歩などもしていますが、もともと汗っかきなせいかダラダラと汗が出るばかりで一向に改善しません。
どうしたらこの痛いほどのむくみを解消できるでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
むくみがあると体も重苦しく感じますし、生理前のだるさも感じやすくなってしまいますよね。
では今回は、生理前に起こるむくみの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

黄体ホルモンの影響と水の滞りがむくみの原因!

気・血・水の解説イラスト

月経前になるとむくむのは、月経前に多く分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響です。このプロゲステロンには、体内に水分をとどめる働きがあるために、顔や体が腫れぼったく感じるのです。

また、東洋医学では、月経の前は「気・血・水(生命エネルギー・血液・水分)」が滞りやすくなると考えられています。
これらの滞りによって体に余分なものを溜めこみやすくなり、水を排出できなくなる「水毒」の状態になることもむくみの原因です。

次の章ではこうした月経前に起きやすいむくみに対する具体的な解決方法をお伝えしていきますね。

体重増加を抑える3つの簡単セルフケア

1.利尿作用のあるものを食べましょう

すいか

月経前のむくみが気になる時期は、塩分と水分の取りすぎに注意しましょう。
塩分の多い食事を摂るとのどが乾くため、水分をとり過ぎてしまいますし、体内の塩分量が増えると、体は濃度を一定に保とうとして、水分をよりため込みやすくなります。
むくみがあると感じるときは、利尿作用のある食材を積極的に摂り、余分な水分を排出するように心がけましょう。

利尿作用のある食べ物
カリウムを多く含む野菜や果物
(バナナ・トウモロコシ・長芋・小豆・キャベツ・ビーツ・スイカなど)

2.ぬるめの入浴で体を温め血行を改善!

冷えによる「血」の滞りによっても、むくみが悪化します。
38~40℃のぬるめのお湯にゆっくりと浸かり、じんわり汗をかくことで血流をアップし、余分な水分を排出するようにしましょう。
みぞおちあたりまでお湯につかる半身浴でじわじわと汗をかくこともオススメです。

逆効果なのが、デトックス効果を上げたいとの思いから高温のお湯に長く浸かってしまうこと。
熱いお湯は交感神経を刺激して、かえって血管を収縮させ、むくみを悪化させてしまうので気をつけてくださいね。

3.筋力アップで排出効果を高めましょう

スタジオでヨガをする女性

軽い運動やストレッチによって筋肉を動かしましょう。
運動することによって筋肉が収縮すると、血液を循環させるポンプの役割がうまく機能し、むくみを軽減させる効果があります。
特に、心臓からもっとも遠くポンプ機能が働きにくい位置にある下半身の筋肉の力を鍛えると、血流改善に効果的です。
むくみの症状がひどいときはふくらはぎをマッサージしたり、クッションなどで足を少し高くあげて休憩するようにしてみてください。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

漢方薬

月経前の体重増加の改善には、市販薬に加えて根本的な改善を目的とした漢方薬の服用がオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)です。
肥満気味で汗をかきやすく、胃腸の弱い方の、「水毒」の状態を改善して全身の機能を高めてくれる効果があります。
また、耳鳴りやめまいや尿量の減少が気になる方には「水」の巡りを良くして、溜め込んだ水分を排出させてくれる五苓散(ゴレイサン)もオススメです。

血を巡らせて、むくみをスッキリ改善しましょう!

海岸でストレッチをする女性

今回は、月経前の体重増加やむくみに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
むくみを改善するには、体を内側からじんわり温めて冷えを改善し、筋肉の働きで「血の巡り」を良くすることを心がけましょう。
こうした悩みには、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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