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指に触れる得体の知れない臭いツブツブ…頭皮の角栓はなぜできるの?

頭皮の角栓 アイキャッチ
体験談

頭をかいたらフケと一緒にゴマのような粒がとれた。指先で頭皮に触れるとザラザラとした粒に触れた…。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「頭皮の角栓」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

フケとともに頭皮から謎の物体が…清潔にしても改善しないのはなぜ?

髪の生え際

千晶さん(46歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

最近やたらと忙しい日々が続き、睡眠不足で疲労困憊のせいか、ふと気づくと会社のデスクで甘いお菓子を無意識に食べてしまったり、夜遅くにコンビニで買った揚げ物をつまんではベッドに倒れこんでしまう日々が続いています。体は丈夫なので、体調の悪化はないものの、なんだか頭皮が脂っぽくベタベタして気持ちが悪いことに気がついてしまいました。
先日も無意識に頭をかいていたら、フケとともに爪の間にツブツブの臭い物体が取れてしまい、恐ろしくて仕方がありません。この脂っぽい塊はいったいなんなのでしょうか? 
不潔にしているならまだしも、どんなに忙しくても、朝か夜のどちらか、1日1回はシャンプーしているので、不思議で仕方がありません。
頭皮がオイリーに傾いているのかとも思い、夫が使っているメンズ用の洗浄力の強いシャンプーで地肌を洗ってみたのですが、数日続けるとなんだか頭皮のかゆみが増した気がして…。洗いたては確かにさっぱりするのですが、翌日の午後にはぺっとりと、以前にも増してオイリーな状態になり、相変わらず指で頭皮に触れると角栓らしきものでザラついています。
どうにかしてこの気持ち悪い状態を改善したいのですが、何か良い方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
頭皮にできる粒の正体、頭皮の角栓は小鼻などにできる角栓と同じく、皮脂や古い角質に汚れなどが混ざったもので、放置すると薄毛などの頭皮トラブルに繋がることもあります。
今回は、頭皮に角栓ができる原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

頭皮の角栓は余分な皮脂や古い角質などが原因

頭皮の角栓のイメージ

頭皮に角栓ができるのは、皮脂汚れが充分に除去しきれていないことが大きな原因です。
毎日シャンプーしていても、きちんと頭皮を洗えていないと、余分な皮脂や古くなった角質はもちろん、整髪料などの成分の落とし残しなどが除去できません。また、頭皮の皮脂量は顔の皮脂量の2倍とも言われており、睡眠不足やストレス、加齢や食生活の偏りなどで分泌量が増えることがあります。
こうした過剰な皮脂が頭皮のタンパク質と結合して粒状に変化し、頭皮の角栓ができることもあります。
角栓を放置すると、頭皮の炎症や悪臭を招き、毛を生み出す毛母細胞が弱まって薄毛を促進することにもなるため、早めのケアが必要です。

東洋医学では、体内に溜まった余分な水分と「熱」が、「気(生命エネルギー)」や「血(血液)」の巡りを滞らせ、過剰に皮脂を分泌するとされており、これにより頭皮に皮脂がたまり、角栓が生じやすくなると考えられています。

次の章では、このような「頭皮の角栓」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

頭皮の角栓を解消する3つのセルフケア

1.シャンプー前にブラッシングと予洗いを

ヘアブラシを持つ手

頭皮の汚れをしっかり落とすためには、シャンプーの前段階で汚れを落としやすくする準備をしておきましょう。
まずは髪を濡らす前に入念にブラッシングをし、絡んだ髪をほぐしつつ、頭皮の汚れを浮かせておきます。
次に、38℃程度のぬるめのお湯のみで髪を濡らし、頭皮や髪にたっぷりお湯を含ませて予洗いをします。
このとき、指の腹で頭皮を優しく丁寧にマッサージするようにしておくと、頭皮の血行促進に加えて髪の汚れも十分に落とすことができるため、シャンプーの際にゴシゴシこすらなくても泡立ちが良くなり、汚れを落としやすくなります。

2.適度&適切なシャンプーで皮脂分泌を正常に

頭皮が脂っぽくなったり、角栓が気になる場合は特に洗浄力の高いシャンプーでこまめに髪を洗って頭皮をスッキリしたいと考えがちです。
ところが意外にもこれが逆効果で、頭皮の皮脂汚れこそしっかり落ちるものの、本来頭皮に必要な皮脂まで落としてしまうことで頭皮の乾燥を招き、皮脂が余計に過剰に分泌されるようになってしまうのです。
こうなると、頭皮は乾燥しているのにも関わらず、皮脂が過剰に分泌されてしまうという悪循環に陥り、抜け毛や薄毛の原因になることもあります。
皮脂の分泌を正常化するには、肌にやさしい弱酸性のシャンプーで1日に1回、乾燥しがちな秋冬であれば2日に1回程度の洗髪で十分です。指の腹で丁寧に頭皮を動かすようにシャンプーし、すすぎ残しのないようにしましょう。

3.日頃の習慣を見直して頭皮の状態の改善を

海藻とオクラのサラダ

角栓を予防・改善するためには、頭皮の皮脂を過剰に分泌させる日常の習慣を見直すことも大切です。
皮脂の酸化を防ぎ、健やかな頭皮を育てるためにも、食生活の面では高脂質かつ糖質の多い食事は控え、野菜や海藻などからビタミンやミネラルを積極的に摂るようにしましょう。
また、生活習慣としては、疲労やストレスをなるべく溜め込まないようにし、ホルモンバランスや自律神経を整えることを意識してみてください。適度な運動を取り入れ、頭皮の血行を促進することもオススメです。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

漢方薬

頭皮の角栓を改善するために、市販のヘアケアアイテムの使用に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)です。脂っぽいものや甘いものの摂り過ぎにより食生活が乱れがちな方の、体内の余分な「熱」を冷まし、過剰な皮脂の分泌を抑えて頭皮トラブルを改善する効果があります。
また、角栓に加えて頭皮がジュクジュクとしてかゆみが強い方には、熱感やかゆみを抑える効果の高い消風散(ショウフウサン)も良いでしょう。

日頃の習慣を見直して健康な頭皮を育てましょう

シャンプーとヘアケアのイメージ

今回は、頭皮の角栓に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、皮脂汚れをきちんと落とすように心がけ、頭皮に優しいシャンプーの仕方をマスターすること、そして、頭皮ケアだけでなく日頃の食生活や生活習慣を見直すことが大切です。
また、こうした気になる頭皮の症状改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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