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長年つけている結婚指輪がパツパツに…なぜむくみがこんな場所に?

体験談

お酒を飲み過ぎた日の翌朝は、指輪がきつくなってなかなか外れない。夏に冷たいアイスや飲み物をたくさん飲んだ後は、手がなんだか腫れぼったく感じる…。
ホルモンのバランスが乱れがちな30代〜50代のミドルエイジ世代の女性のなかには、こうした「手のむくみ」の症状に悩んでいる方も少なくありません。

このような自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「手のむくみ」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。

暑い季節に限ってどうして? 太ったわけでもないのに手がぼってり!

初美さん(52歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

ここ数年、夏になると結婚指輪がきつく感じるようになってしまい、もうこのまま外しっぱなしにしてしまおうかと悩んでいます。
肌寒くなる秋から冬の寒い時期にかけてはそんなにきつく感じることもないのですが、暑さや湿気を感じる夏になると、手や指がムクムクと腫れぼったくて仕方がないんです。
太って体型が変わったということもないですし、思い当たることといえば、暑さに耐えかねて冷たい飲み物を飲み過ぎてしまっていることくらいでしょうか。
よく考えたら水分を摂り過ぎているわりにはトイレにいく回数は減っているので、むくみが手に出てしまっているのかなとは思うのですが…。
でも、いまひとつ改善方法がわからずどうしてよいやらわかりません。
先日、指の肉が盛り上がるほど指輪がキツく感じる日があったので、外して洗面所に置きっ放しにしていたところ、主人が悲しそうな顔で「置き忘れてるよ…」と持ってきてくれたんです。こんな年齢になってもやっぱり妻に結婚指輪をつけていてもらいたいのかなと思うとなんだかほっこりしてしまって…。
できればしっかりむくみを解消し、これまで通り指輪をつけ続けたいと思っています。
なにか手のむくみを解消するような良い方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
若い頃にあまりむくみが気にならなかった方でも、加齢により代謝が悪くなったり食生活の乱れなどによってもむくみの症状が出てくることがあります。
今回は、手のむくみの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

手のむくみは「脾」の衰えと水分バランスの乱れが原因

手のむくみは、体内の余分な水分が手に溜まることによって生じます。
通常、摂取した水分は腸で吸収され、血液とともに全身を巡り排出されますが、水分の摂り過ぎなどで、水分が腸で吸収しきれなくなると、それが手や指に溜まってしまうのです。
また、水分は重力により下に落ちる習性があるため、長く手を下げた状態が続くことでも手のむくみが起こることがあります。

東洋医学では、水分を体に摂りこんで巡らせる働きをする「脾(ひ)」の衰えにより「水(水分)」が巡らずに「水滞(すいたい)」の状態となることで手指のむくみが起こると考えられています。

次の章ではこうした顔のむくみの改善に対する具体的な方法をお伝えしていきましょう。

3つの簡単ケアで手指のむくみをスッキリ改善!

1.手浴&ハンドマッサージで手の血流改善を

手のむくみを解消するには、手指を温め、血行を良くすることが一番です。
朝起きたときに手のむくみを感じたら、洗面器に40℃程度のお湯をはり、手首までしっかりとつけて5分ほど手浴をします。じゅうぶんに手が温まったら、ハンドクリームをつけながら手指を揉みほぐすようにマッサージをしましょう。
温浴効果とマッサージのダブルの効果でさらに血の巡りが良くなり、手がすっきりしてくるはずです。

2.体を冷やさないように注意する

手のむくみが夏に生じやすいのは、冷たい飲み物や食べ物、冷房などで体を冷やしすぎることによって血行が悪くなるためです。季節を問わず、温かい飲食物を摂ったりお風呂に浸かったりして体を温めることを意識しましょう。
また、体を温めるには、汗ばむくらいの適度な運動を日常的に取り入れることも大切です。
ウォーキングやストレッチなど、負担にならない程度にエクササイズをして血流アップと発汗によるデトックスを心がけてみてください。

3.手指のむくみ取りエクササイズをする

指のむくみを改善するにはさまざまな方法がありますが、なかでも一番お手軽で簡単なのが手のむくみ取り体操です。重力で溜まった水を流し、血の巡りを良くしてむくみを改善する効果がありますので、ぜひ継続して実践してみてください。

◎手のむくみ取り体操のやり方
まずは背筋を伸ばし、バンザイをするように手を高く上げます。
そのまま手のひらを上向きにしてぐっと握りこぶしを作るように握って3秒キープします。次に、今度は指を思い切り広げ、「パー」の形にして3秒ほどキープします。
それぞれの動作の時に拳を回したり、手のひらを振ったりしながら何回か繰り返すとより血行が良くなりますので、ぜひ試してみてください。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

手のむくみを改善するために、利尿剤の服用や点滴という選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、五苓散(ゴレイサン)です。水分代謝を整えて、口が渇いたり尿量が減っている方の余分な水分を排出して水滞だけでなく水が足りないところには補う効果があります。
また、妊娠中や月経前に指がむくむ、という方には、血を補いながら血の巡りを良くして水分バランスを整える効果のある当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)も良いでしょう。

一方、疲れやすく水を飲んでも体重が増えたり、むくんで関節が痛くなるような場合は防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)もよいでしょう。

体や手指の血流を改善して手指のむくみにサヨナラを!

今回は、手のむくみに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
体を冷やさないようにして、手指のマッサージやエクササイズを取り入れることで血の巡りを良くし、むくんだ手をスッキリさせましょう。
また、こうしたむくみの症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

竹田由子

薬剤師 竹田由子(たけだゆうこ) 臨床薬学専門。病院で10年以上医薬品情報室に長年従事し、医薬品に関する情報に精通。 元漢方・生薬認定薬剤師、薬膳漢方マイスター。 漢方の活用で月経痛時の鎮痛剤を減量できた自身の経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。

プロフィール

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