• HOME
  • 記事
  • 体験談
  • リバウンドが止まらない! 短期集中型の真面目な性格がアダに!?

リバウンドが止まらない! 短期集中型の真面目な性格がアダに!?

体験談

頑張ってダイエットしたのに、ちょっと気を抜いたら元の体重より増えていた。一生懸命食事制限して痩せたのに、以前より太りやすくなってしまった…。

こうしたダイエットに関する悩みの解消や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回はダイエットにおける「リバウンド」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生にお話を伺ってみました。

つらい努力が水の泡に…この「リバウンド体質」を卒業するには?

千晶さん(44歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

いわゆる中年太りというものでしょうか、40歳を過ぎた頃から急激に太り始め、しかも痩せにくくなってしまって困っています。
何につけても短期集中型で結果を出さなければ気が済まない性格もあってか、仕事の方はすこぶる順調なのですが、ダイエットに関しては挫折ばかり繰り返してしまい、脂肪もストレスも溜まる一方です。
特に、痩せるためなら食べたいものを我慢するのも耐えられる方なので、最も痩せるのに効果の出そうな「夕食抜き」と「糖質制限」で、目標通り、一気に1ヶ月で5kgほど痩せたのですが、結論から言うと大失敗でした。元の体重が56kg、身長が157cmなのですが、一気に51kgまで落としたせいか、頬はげっそりして顔色は悪くなるわ、胸から脂肪が落ちるわでフラフラに。
これはいけないと思って少しずつ食事量を戻して行ったのですが、なぜかたいして食べてもいないのにその後の1ヶ月で完全に体重が逆戻り。あまりに悔しくてその後も2回ほど同じように痩せましたが結果は同じ。痩せている状態がちっとも長持ちしないんです。
しかも、あれだけ大変な思いをしたにも関わらず、現在の体重はまさかの58kgで、ダイエットを決意する前より2kg増えています……。
間食もしていないのに、まさに怪奇現象としか言いようがないレベルです。私は一体どうしたら良いのでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
せっかく苦労して体重を落としても、それがキープできなかったり以前より太ってしまうとなると、やる気もなくなってしまいますよね。
今回は、ダイエットにおける「リバウンド」を防ぐ方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

リバウンドの原因は急激な減量による体の防御反応

リバウンドとは「跳ね返り」を意味し、食事制限や運動により落とした体重や体脂肪が、元の体重か、それ以上に太った状態に戻ってしまうことを指します。
ダイエットしたのにリバウンドしてしまうのは「美容の危機」には違いありませんが、食事量を減らして体を動かし、痩せていくという状態は、体からしてみれば飢餓状態であり「命の危機」だと認識してもおかしくはありません。

一般的に、1ヶ月に体重の5%以上の減量をした場合にリバウンドしやすいとされますが、これは急激なカロリー供給不足により、入ってきた食べ物は全部脂肪に変えて蓄えておかなくてはならない、と勘違いした体のシステムにより起こる現象です。
また、栄養バランスを度外視した「○○しか食べない」系の単品ダイエットや、運動せず摂取カロリーだけ減らすようなダイエットもリバウンドが起こりやすいため注意が必要です。

次の章では、「リバウンドせずにダイエット」をするために気をつけるべき点をお伝えしていきましょう。

リバウンドをしないダイエットのポイント

1.過剰な糖質制限で代謝を落とさない

以前、巷で大流行した「糖質オフ」ダイエットですが、過剰な糖質制限には、リバウンドを招き、かえって体に脂肪がつきやすい体になってしまうという落とし穴もあります。
確かにダイエットするにあたって糖質の過剰摂取は避けるべきですが、糖質は生きるために必要なエネルギー源でもあり、糖が足りなくなると筋肉を糖に変えてエネルギー源にしてしまうため、筋肉量が減り、結果的に代謝が落ちてしまいます。
糖質は全部減らしたりたくさん減らすのではなく、「これくらいなら減らしても苦じゃない」という程度にとどめ、その分運動を取り入れて、筋力アップすることを心がけましょう。

2.減量は時間をかけて少しずつ、が鉄則!

リバウンドせずにダイエットを成功させるには、糖質やカロリーを過剰に制限することで「短期間に大幅な減量」をするのではなく、なるべく「少ない負担で時間をかけて継続」することが大切です。
短期間で急激に痩せようとするほど、体は元の体重に戻そうと必死で脂肪を溜め込もうとしますし、肌が荒れたり抜け毛が増えたりと、美容面から見てもいいことがありません。
目安としては、まずは1ヶ月あたりの減量を体重の5%にとどめ、急激な体重の減少は避けるようにしましょう。

3.ダイエットでストレスを溜めない工夫を!

ダイエット中はとかくストレスが溜まりがちですが、ストレスはダイエットの大敵です。
ストレスによって過剰に分泌されるホルモン「コルチゾール」には、ストレスに対抗するため体にエネルギーを蓄えようとする働きがあり、実際にお腹が空いているわけではないのに空腹感を感じさせることがあります。
さらには、食欲を抑制するセロトニンの働きを鈍らせ、インスリンを過剰に分泌することで、余分な体脂肪がどんどん溜まっていく可能性もあるのです。
ダイエットに食事制限はつきものですが、ダイエットの敵であるストレスを溜めこまないためにも、たまには好きなものを食べて息抜きをすることも必要です。

食べたいのに食べられない、という負の思考のスパイラルを抜け出し、美味しいものを食べたら、たくさん幸せを感じてセロトニン分泌を促しつつ、食べた分かそれ以上に運動してカロリー消費をする、というポジティブなエネルギーでボディメイクに邁進しましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

リバウンドを防いで痩せるためには、セルフケアや市販薬、処方薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な体質改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、大柴胡湯(ダイサイコトウ)です。ストレス過食になりやすい方の自律神経を整え、脂肪の分解や燃焼を促すことで肥満症改善を目指す方に用いられます。
また、暴飲暴食しがちでポッコリお腹になりやすい体質の方には、体内の老廃物を排泄して代謝を良くする効果のある防風通聖散(ボウフウツウショウサン)も良いでしょう。
一方、水を飲んでも太ってしまうような水太りタイプは、胃腸を整え水分代謝を改善する防己黄耆湯(ボウイオウギトウ)がオススメです。

ダイエットや体に関する正しい知識を身につけましょう

今回は、リバウンドをしないためのダイエット方法や漢方薬をご紹介してきました。
一過性の体重減少ではなく、美しく健康的に引き締まった体に改善するためには、体の仕組みを知り、正しい知識を身につけてボディメイクに挑むことが大切です。
また、こうしたさまざまなダイエットにおいて、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアではなかなか痩せられない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

竹田由子

薬剤師 竹田由子(たけだゆうこ) 臨床薬学専門。病院で10年以上医薬品情報室に長年従事し、医薬品に関する情報に精通。 元漢方・生薬認定薬剤師、薬膳漢方マイスター。 漢方の活用で月経痛時の鎮痛剤を減量できた自身の経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。

プロフィール

関連記事