唇の日焼けで異変!カサカサ&血色の悪い唇で+8歳の老け見え顔に⁉︎

体験談

日差しを浴びてしまった後、なんだか唇がカサカサしたりヒリヒリしたりして皮がむけてきてしまった、唇の色がどんよりと暗くくすんでいるような気がする…。
30〜60代の幅広い世代の女性のなかには、こうした「唇の日焼け」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こんな自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を、医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「唇の日焼け」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

無防備に陽の光にさらして大後悔…唇のうっかり日焼けにご用心!

美和さん(35歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

自宅から勤務先に到着するまで、それぞれ最寄駅までの距離が結構あるため、“通勤日焼け”を防ぐために、必死で紫外線対策をしていた私。
移動中はUVカットの長袖のカーディガンを羽織り、顔にもしっかりUV下地とUVファンデーションを塗って完全防備!…をしていたつもりなのですが、どうもこのところ唇がカサカサと乾燥して皮むけしたり赤くポテッと熱を帯びたようになっていることがあり、ハタと気がついたんです。あんなに一生懸命UV対策していたつもりだったのに、うっかり唇には何の対策もしていなかったことに…。
鏡をよくよく見ると、心なしか唇の色もくすんで血色も悪くなっているような気がします。
慌てて普段口紅の下地として愛用しているリップクリームを確認しましたが、これもUV対策できるものではなかったようです。うるうる&プルプルの唇をつくるために一生懸命可愛いグロスなども集めてきましたが、唇そのものが日焼けしてくすんでしまうなんて大ショック…。
なんだかすっぴんがものすごく老けた感じの印象になってしまいました。もはや後の祭りですが、こんなふうに唇を日焼けしてしまったときの改善策や対処法があれば、ぜひ教えてください。

ご質問ありがとうございます。
顔や体には日焼け止めを塗ることが習慣化していても、唇のことまで気が回らずに、案外無防備に日光にさらしてしまいがちですよね。
今回は、唇の日焼けの原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

唇が日焼けする原因は紫外線ダメージとメラノサイト活性化

唇は、他の顔の部位に比べて皮膚がとても薄く、会話や飲食などにより常に外的な刺激にさらされているパーツでもあるため、バリア機能が低下しがちです。
特に、紫外線を浴びることによるダメージは大きく、その炎症反応から乾燥や荒れによる皮むけはもちろん、皮膚の深層にあるメラノサイトが活性化されてくすみや色素沈着を引き起こしてしまうこともあるため、十分なケアが必要です。

また東洋医学では、紫外線により皮膚の表面に余分な熱がこもることで唇の皮膚にダメージが起きると考えられており、治療には身体の熱を冷ます漢方薬を用います。

次の章ではこのような「唇の日焼け」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

唇の日焼けを改善する3つのセルフケア

1.外出時は唇の紫外線対策もしっかりと!

紫外線の刺激を受けると、唇が赤く腫れたり乾燥して皮むけしたりするだけでなく、皮膚深部にあるメラノサイトの活性化により色素沈着を起こし、唇の色がくすむ原因になります。
外出の際には、顔や体に日焼け止めを塗ることに加え、唇にも紫外線を防ぐUV対策用のリップクリームを塗って紫外線対策をしましょう。
UV効果のある口紅なども紫外線対策に有効ですが、成分が強く唇が荒れてしまう場合は、「薬用」と記載のある低刺激のリップクリームや、ひび割れなどの治療にも効果的な「医薬品」と表記のあるものを使うと良いでしょう。

2.唇への過度な刺激や摩擦を避けましょう

日焼けして乾燥し、唇がカサつくときほど、唇を舐める、唇の皮をむく、唇をこするといった行為を繰り返してしまいがちです。
こうした行為は、唇に過度な刺激を与え、日焼けによる荒れや乾燥による皮むけを余計に悪化させ、色素沈着を誘発するもととなるため、避けるようにしましょう。
また、クレンジングで口紅を落とす時や洗顔後に顔を拭くときも、ゴシゴシとこすって摩擦するのはNGです。乾燥や色素沈着を悪化させないためにも、スキンケアは撫でるように、優しくケアすることが大切です。

3.唇の保湿&マッサージで症状改善を

日焼けによる赤みや皮むけが良くなっても、なんとなく唇の色がくすんでいる、血色が悪いと感じる時には、リップマッサージで唇の血の巡りを良くし、血色と明るさを取り戻しましょう。
低刺激性のリップクリームや保湿クリームを用意し、唇の縦じわや口角にもたっぷり塗り込むようにしながら円を描くようにくるくると塗布します。棒状のリップクリームの先端でも指先でも良いので、塗りムラなく、優しくなじませるようにしましょう。
夜、就寝前にケアして、保湿成分をしっかり浸透させるのがオススメですよ。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

唇の日焼けを改善するために、セルフケアに加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)です。日焼けにより唇が赤く腫れたり、乾燥してヒリつくような痛みのある方の唇表面の熱を冷まし、症状を改善する効果があります
また、唇が荒れてかゆみの症状もある方には、炎症を和らげて症状を緩和する消風散(ショウフウサン)も良いでしょう。

保湿と血行促進で早期にダメージケアをしましょう

今回は、唇の日焼けに悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
紫外線ダメージを防ぎ、ぷるっとした血色の良い唇を保つためには、唇にもしっかりUVケアをすることや、毎日のスキンケアでたっぷり保湿し、血の巡りを良くすることが大切です。
もし日焼けによるダメージがひどく、唇に水疱ができたりただれたりする症状がある場合や、ケアをしても悪化してしまう場合は、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。

こうした日焼けにともなう症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬剤師に相談してみてくださいね。

中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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