毎日の寒暖差に身体が悲鳴! 環境の変化に身体がついていけず不調の嵐
季節の変わり目になるとなんとなく体がだるくて疲れやすい。寒暖差が激しいと風邪をひきやすく、心身の不調が続きがち……。
こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回は「寒暖差疲労」をテーマに、医師の青木先生にお話を伺ってみました。
目次
季節の変わり目がつらい…寒暖差ストレスに負けない方法を教えて!
智枝美さん(38歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。
昔から寒暖差の激しい季節の変わり目に体調を崩すことが多く、精神的にも波があって困っています。
最近も、ポカポカ陽気が続いたため、すっかり暖かくなるものと思って冬のコートをしまったんです。そうしたら、その後すぐに急に10℃近くも気温が下がったものですから、すっかり体調を崩してしまいました。
特に、急な気温の低下や湿度の上昇を感じると、首の後ろや肩のあたりの筋肉が凝ってどんよりと重く、何をするのもだるくて仕方がありません。エアコンも暖房・冷房・ドライと天候に合わせて調整し、なんとか気温や湿度を一定に保とうとしているのですが、かえって頭がボーッとしてしまい、のぼせたようになってしまいます。
生理の前の時期などはもともと肩こりやのぼせの症状があり、冷えや疲労感も強くなるタイプなので、そのせいもあるかもしれませんが、季節の変わり目は特につらくて……。ドッと疲れが出て寝込んでしまうことも度々です。
どうしたらこうした気温の変化に振り回されず、体調に影響を受けない体質になれるでしょうか。何か良い改善方法があれば教えてください。
ご質問ありがとうございます。
寒暖差による暑さ寒さのストレスに加え、月経などによるホルモンバランスの崩れまで重なってしまうと、だるさや疲労感も増してなおさらつらくなってしまいますよね。
今回は、寒暖差疲労の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。
寒暖差疲労は頻繁な体温調節による自律神経の乱れが原因
季節の変わり目など気温や天候の変わりやすい時期に疲労が蓄積されることを寒暖差疲労といいます。
こうした疲労が起こる原因としては、自律神経の働きの一つである体温調節機能によって、暑さ寒さに敏感に反応し、環境に適応しようとすることが挙げられます。
気温が下がると体を温めようと筋肉を動かしたり、気温が上がり汗をかくことで体温を下げようとする働きが継続的に行われることで自律神経が疲弊し、その結果、体調不良や疲労感、寝付きの悪さなどさまざまな不調に繋がってしまうのです。
東洋医学では、寒暖差によって体内の「熱」の放出と産出が頻繁に繰り返されることによるストレスにより自律神経が乱れ、冷えや疲労を招くと考えられています。
次の章では、このような「寒暖差疲労」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。
寒暖差疲労を改善する3つのセルフケア
1.生活のリズムを整えて体を温める
寒暖差疲労を改善するためには、まずは栄養バランスのとれた食事を三食きちんと摂り、夜更かしせずにしっかり睡眠をとるようにして、生活のリズムを整えることが大切です。
冷えを感じる時は特に首元、手首、足首の「三首」を温めたり、温かいものを食べたり飲んだりすることで体内の深部体温を上げると、自律神経を安定させることができます。
また、暖房で体表面は温まっていたとしても、冷たいものを摂り過ぎると内臓の冷えを招き、寒暖差疲労を悪化させてしまうため気をつけましょう。
2.日常生活に負荷をかけて血液循環を良くする
暑さ・寒さで疲れを感じるからといって、家の中で何もせずにゴロゴロするのは逆効果です。
運動不足によって全身の血液循環が悪化すれば、余計に疲労を感じてしまいます。
体を動かして全身の血液循環が良くすることが寒暖差疲労の解消に繋がるため、日常的に軽く負荷をかけることが大切です。
ウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動はもちろん、日常生活の中でもなるべくエレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使うように心がけてみましょう。
3.首・肩の筋肉の緊張を緩めて疲労を改善!
寒暖差によるストレスにより、緊張しやすい首や肩の筋肉をストレッチし緩めることで、副交感神経を優位にし疲労感を解消しましょう。
お風呂でゆったりと湯船に浸かり、体を温めたあとに実践してみてください。
◎首&肩のストレス解消ストレッチ
①両手を後頭部で組み、肘を内側に絞って前傾し、首を真下に向けて首と背中を伸ばす
①肩の力を落とし、首をゆっくり左右真横に倒した後、首をゆっくり円を描くように回す
③手首から肘にかけて左右の腕を顔の前でつけ、そのまま高く上げていき、肘で円を描くように肩甲骨を回す
根本的な体質改善には漢方薬が効果的!
寒暖差疲労を改善するために、セルフケアやサプリの服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、加味逍遙散(カミショウヨウサン)です。
寒暖差によるストレスから肩が凝って疲れやすい方の「気(生命エネルギー)」の巡りを良くし、「熱」を体の隅々まで行き渡らせることで症状を改善する効果があります。
また、貧血気味で寒暖差による手足の冷えや倦怠感などが強い方には、「気」や「血(血液)」を補って全身の疲労感を緩和する効果のある十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)も良いでしょう。
自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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血の巡りを良くして寒暖差に負けない体質に改善!
今回は、寒暖差疲労に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、三食きちんとバランスのとれた食生活や規則正しい睡眠習慣を心がけ、体や内臓を冷やさないようにすることが大切です。
軽い運動の習慣をつけ、筋肉の緊張をほぐすストレッチで血の巡りを良くすることも心がけましょう。
また、こうした気になる疲労症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。