生理前の居眠りグセがひどすぎて、ついたあだ名は「眠り姫」…!

体験談

ちゃんと睡眠時間をとっているのに何だか眠くて仕方がない、日中ぼーっとしてしまって仕事が全然手につかない……。
それは、もしかしたら月経前症候群(PMS)による眠気の症状かも!?

実は、多くの女性が月経前に起こるさまざまな症状に悩んでいます。
そんな自分ではどうにもならない生理前の不調やつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 

「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。
今回は「生理前の眠気」をテーマに、薬剤師の竹田由子先生へお話を伺ってみました。 

どう頑張っても眠気に負けてしまいます…生理の前だけなぜ?

奈津美さん(32歳女性)、営業職の方からご質問をいただきました。

若い頃からずっと悩んでいる症状なのですが、私、生理前になると尋常じゃない眠気に襲われてしまうんです。
眠くても我慢して起きていられるならいいのですが、頑張って起きていようとしても、頭がぼーっとのぼせたようになってしまいます。だるいなー、と思っているうちに、本気で眠ってしまうことが多くて……。
学生時代なら笑ってごまかせましたが、今や社会人歴10年近くになろうとする大人ですからシャレになりません。
大事な会議の途中でも打ち合わせの途中でも、睡魔に襲われるとコテっと寝てしまうこの悪癖のせいで、ついたあだ名は「眠り姫」。(姫っていってもコレ、完全に嫌味ですけどね)
キリッとしていて仕事もできる上司からはいつも怒られてばかりです。
周りからは理解されないことがほとんどですが、これは絶対に生理に関連した症状だと思っています。決してサボっているとか無駄に夜更かししているわけではありません。
どうにか眠気に負けない体質に改善する方法はないでしょうか?

ご質問ありがとうございます。
お仕事にも支障がでるほどの強い眠気の症状があるとのこと、本当につらいですよね。
今回は、生理前の眠気の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

ホルモンの変化と基礎体温の上昇が眠気の原因!

排卵が終わってから月経になるまでの黄体期といわれる時期は、ホルモンの急激な変化により、眠気を強くするプロゲステロンの分泌が盛んになります。
この期間は体温も高めの状態が続いて、変動も少ないため、一日中ボーっとして強い眠気に襲われやすいのです。
これは女性の体が妊娠に備えて体を休ませようとしている働きでもあります。

東洋医学では、血の巡りの悪化による気(生命エネルギー)の乱れ、水(水分)の乱れがお互いに影響しあうことによって、月経前症候群(PMS)をはじめとするさまざまな症状が起こると考えます。

次の章ではこうした月経前に特有の眠気の症状に対する具体的な解決方法をお伝えしていきましょう。

月経前の眠気の予防策&対処法3選!

1.急な血糖値の上昇を抑えること

月経前や月経中になると、甘いものをいつも以上に食べたくなってしまいがちです。
糖分たっぷりのケーキやドリンクを一気に食べると、血糖をコントロールしているインスリンが大量に分泌され、その反動で今度は血糖値が急降下し、低血糖状態に。余計に強い眠気を感じやすくなります。
甘い物は少量にして、イモ類や玄米などの腹持ちのよい食材を選びましょう。

2.眠気を覚ますツボを押してみよう

仕事中など、どうしても寝てはいけないシーンで眠くなってしまったときのために、眠気を覚ますツボをご紹介します。
指の腹に力を入れ、痛くない程度に力を入れ、息を吐きながらぐっと押すとより効果的です。

合谷(ごうこく)
手の甲にある親指と人差指の間にあるくぼみにあるツボ。

百会(ひゃくえ)
頭頂部から見て、目と目の間と左右の耳を結んで交差したところにあるツボ。

3.パワーナップを使いこなそう!

眠いまま仕事を続けていても、効率は落ちる一方。
そこで「パワーナップ(積極的仮眠)」を取り入れてみてください。いわゆるお昼寝のことですが、その効果が注目されています。
昼間に20分程度の短時間の睡眠をとると、脳内が一度リセットされてクリアになり、午後のパフォーマンス向上が期待できます。
無理をせず眠気を解消して、仕事の効率をアップさせましょう。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

月経時の眠気を改善するために、市販薬や処方薬に頼るという選択肢に加えて、根本的な改善を目的とした漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、加味逍遙散(カミショウヨウサン)です。
血液の流れをよくしてのぼせや疲労感などを解消し、ホルモン変化によって乱れがちな体のリズムを整えてくれる効果があります。
また、貧血気味で冷えや極度の疲労感や頭重感などがある方には、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)も血流や水分代謝を整えるので、月経前の症状緩和にオススメです。

月経前の眠気は体を休ませる機会と捉えましょう

今回は、月経前の眠気に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
月経前の体はとてもデリケートなため、普段以上に休息が必要な期間でもあります。
眠気に襲われたときの対処法や食生活の見直しなどをしつつ、いつも以上にリラックスできる時間を確保するようにしましょう。


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