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目標体重を諦めたくない!体重が落ちない停滞期はどう乗り越える?

体験談

ダイエットを頑張っていて、順調に体重が減っていたのにパタリと体重が落ちなくなってしまった。運動量を増やしているのに一向に減量出来ない……。
こういったダイエットの「停滞期」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないダイエットに関する悩みの解消や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか? 
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師がお答えしていきます。
今回はダイエットにおける「停滞期」をテーマに、内科医の田中先生にお話を伺ってみました。 

もう頑張れない…ダイエットの停滞期が長引いてストレスMAXに!

奈津子さん(50歳女性)、主婦の方からご質問をいただきました。

40代、年を重ねるごとに太っていくのをずるずると放置し続けてしまった結果、見事な中年オバサン体型になってしまった私。50歳になったのを機に、半年前に一念発起してダイエットを始めたんです。
ダラダラと一日中テレビを見ながら運動もせずに間食していた自堕落な生活から、朝晩1kmのウォーキングと三食きっちりとカロリー制限した食生活へ切り替え、まずまずの滑り出し。生活が激変したせいか、体重も体脂肪も1ヶ月間コンスタントに減り続け、気分も乗って来ていました。
ところが、それから半月程経った頃のことです。あんなに順調に減っていた体重がちっとも減らなくなってしまったんです。
こうなると、やり甲斐も頑張り甲斐もあったものではなく、1週間近くもビクともしない体重計の数値を眺めてはため息をつくばかりです。
もちろん、この体重が減らない期間、いつもより多く食べてしまったわけでもありませんし、好きなお菓子も必死で我慢。むしろ焦っていつもの倍近くウォーキングしてしまったほどです。
ここまでしても努力が報われないなんて、と毎日イライラしては夫に当たる日々で、自己嫌悪に陥ってしまいそうです。目標体重までは程遠いですが、正直、少しは痩せたんだからもうこのへんでいいかな、なんて諦めてしまいそうになることも……。
一体どうしたらあの順調に体重が落ちていた頃のように戻れるのでしょうか? 何か良い方法があれば教えてください。

ご質問ありがとうございます。
ダイエットには「停滞期」といって、スムーズに体重や体脂肪が落ちなくなってしまう期間があります。
この時期はストレスを感じやすいですが、諦めずに乗り切ることで、また痩せ始める期間に切り替わるので安心してくださいね。
今回は、ダイエット中の停滞期を乗り越える方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

停滞期は「ホメオスタシス」による体の省エネ化が原因

ダイエット中に訪れる「停滞期」とは、それまで順調に体重が落ちていたのにも関わらず、ある時から何をやっても体重が減りづらくなってしまう時期のことです。
これは、体を一定の状態に保とうとする体のシステム「ホメオスタシス=恒常性」によって起こる自然な現象で、ダイエットが失敗しているわけではないので安心してください。
「ホメオスタシス」のシステムには、ダイエットによる食事制限で急激に入ってくるカロリーや栄養が減ったり、体重が減ることを“飢餓状態”であると受け止め、栄養の吸収を高めて脂肪を溜め込んだり、運動してもエネルギーを少ししか消費しない省エネモードに切り替えてしまう働きがあります。

ただ、この省エネモードもずっと続くわけではなく、身体の慣れによりホメオスタシスの作用が弱まり、また体重が減少し始める時が来ます。
ダイエット中は、この体重の減少する期間と停滞する期間の繰り返しになるため、ストレスを溜めずにうまく乗り越えていくことが大切です。

次の章では、やっかいな停滞期を乗り越えるための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

停滞期を乗り越えるための3つの対処法

1.メンタルの維持で停滞期を乗り切りましょう

頑張っているのに結果が出ない、なんとももどかしい停滞期ですが、この状態が永遠に続くわけではありません。
停滞期はおよそ2週間から1ヶ月程度で、再び減量がスムーズに進む減量期に切り替わるようになることが多いと言われています。
こうした時期に、努力に見合う減量効果が出ないからといってストレスを溜め込んだり、ヤケ食いに走ってしまったら元も子もありません。
停滞期=ダイエットの休憩期間と捉え、体重を減らすよりも維持する期間と心得ましょう。
体重が増えさえしなければ良し、という程度に楽観的に考え、ストレスを溜めないことが大切です。

2.「チートデイ」でストレス解消&やる気の維持を

停滞期に入ると、真面目な方ほど「もっと運動や食事制限を頑張らなくては!」と努力してしまいがちですが、ここで頑張るのは逆効果。
さらに飢餓状態が進み、栄養失調を起こしたり、停滞期が長期化することもあります。

この時期はむしろ、あえて摂取カロリーを増やす「チートデイ」を作り、ホメオスタシスによる省エネモードを解除する方に働きかけてしまいましょう。

チートデイは、1日だけカロリーを気にせず好きなもの食べても良い日のこと。
これにより、飢餓状態ではなくなった!?と脳を“ダマして”ホメオスタシスによる省エネモードを解除する方に働きかけることができます。
日頃足りない栄養素を補ったり、ストレスを解消する良い機会にもなるため、週に1日程度取り入れるのがオススメです。
ただし、何を食べてもいいとはいえ、ダイエット前よりもドカ食いすることやチートデイの頻度を上げるのはリバウンドの元。摂取カロリーは体重×40kcal程度にとどめ、計画的に行うことが大切です。

3.停滞期こそ焦らずゆったり過ごしましょう

ホメオスタシスでの停滞期に加え、女性の場合は月経前になると、黄体ホルモン「プロゲステロン」の分泌が増え、体重が落ちにくくなったりむくみやすくなる期間があります。
こうした停滞期や月経前の期間は厳しい筋力トレーニングや食事制限はお休みし、ストレッチやマッサージで体をほぐしたり、体を温めて血液やリンパの流れをよくするように心がけましょう。
リラックスしてストレスなく過ごすことが、ダイエットの停滞期をスムーズに乗り切る秘訣です。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

停滞期を乗り越えるために、セルフケアや市販薬の服用などの選択肢に加えて、根本的な体質改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。
特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、大柴胡湯(ダイサイコトウ)です。
停滞期のイライラが強く、ホルモンバランスの乱れが気になる方の肝臓の働きを高め、基礎代謝を上げて脂肪の燃焼を促す効果があります。体力のある人に向いています。
また、むくみやだるさが強く、ダイエット中の冷えが気になる方には、「気(生命エネルギー)」や「血(血液)」を補って水分代謝を促し、全身の機能を高める効果のある防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)も良いでしょう。

自分の症状や体質にぴったりマッチした漢方薬を選ぶのは難しいと感じがちですが、「オンラインAI漢方」では、お悩みの症状を元にAIがあなたにぴったりな漢方薬をご案内しています。
自宅にいながら気軽に始められますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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停滞期を前向きに捉えてモチベーションを維持を!

今回は、停滞期を乗り越えるためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
努力に見合う結果が出ない停滞期にはストレスが溜まりがちですが、体重を減らすよりも維持することに意識を向け、ストレスを溜めないことが大切です。
たまの「チートデイ」で美味しいものを食べ、スムーズな減量期への移行を狙いましょう。

また、こうしたさまざまなダイエットにおいて、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。
セルフケアだけでは挫折してしまいそうな場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

甲斐沼孟

産業医 甲斐沼孟医師。大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センター、大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センター、大阪大学医学部付属病院、国家公務員共済組合連合会大手前病院を経て、令和5年4月よりTOTO関西支社健康管理室室長。消化器外科や心臓血管外科領域、地域における救急診療に関する幅広い修練経験を持ち、学会発表や論文執筆など学術活動にも積極的に取り組む。 日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医・指導医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、大阪府知事認定難病指定医、大阪府医師会指定学校医、厚生労働省認定臨床研修指導医、日本職業・災害医学会認定労災補償指導医ほか。 「さまざまな病気や健康課題に関する悩みに対して、これまで培ってきた豊富な経験と専門知識を活かして貢献できれば幸いです」

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