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お受験をめぐるいさかいでストレスMAX! 「倦怠感と眠気」が止まらない…

体験談

睡眠時間は足りているはずなのに、日中ひどい倦怠感と眠気に襲われる、ストレスでうまく眠れず、日中にだるさとともに眠気が起きてしまうため、仕事に集中できない…。
30〜40代のプレ更年期世代の女性のなかには、このような「眠気をともなう倦怠感」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

こうした自分ではどうにもならないつらい症状の緩和や体質改善には、漢方薬がよく効くことをご存知でしたか?
「健タメ!」では、読者からの体験談をもとに、お悩みに関する原因や対処法を医師や薬剤師がお答えしていきます。

今回は「眠気をともなう倦怠感」をテーマに、薬剤師の中田早苗先生にお話を伺ってみました。

睡眠不足と眠りの浅さで疲労困憊…眠気とだるさのスパイラルを止めて!

麻美子さん(41歳女性)、会社員の方からご質問をいただきました。

このところ、子供の受験や教育方針の違いを巡って夫と諍いが絶えないのですが、ストレスから寝つきが悪くなり、食欲もないせいか、日中もだるくて眠くて仕方がありません。仕事をしているため睡眠不足にはならないように気をつけてはいるものの、出勤してもすぐに倦怠感と眠気に襲われ、午前中からまともに仕事ができない有様です。
せめて土日くらいはゆったり過ごしてだるさや眠気を解消したいのですが、子供も交えて夫と話し合えるのも土日くらいしかありません。そこでまた話が噛み合わなかったりすると、またイライラが募り、気持ちが高ぶってしまって余計に疲れがたまる状態に。
明け方まで眠れない日や、早めに就寝しても眠りの浅さから夜中に目が覚めてしまうことも度々あります。
こんな状態が続いているため、週明けの月曜日からも、また絶不調でのスタートに……。
この眠気と倦怠感の負のスパイラルを断ち切るためにはいったいどうしたら良いのでしょうか? 何か良い改善方法があれば教えてください。

ご質問ありがとうございます。
睡眠不足や眠りの浅さから睡眠や生活のリズムが乱れると、サーカディアンリズム(体内時計)の乱れに繋がり、様々な体調不良を招くことがあるため注意が必要です。
今回は、眠気をともなう倦怠感の原因や改善方法について、詳しくお伝えしていきましょう。

眠気をともなう倦怠感は生活の乱れと「気」の不足が原因

眠気をともなう倦怠感が起こる原因には様々ありますが、特に不規則な生活習慣から生活や睡眠のリズムが乱れることによって疲労感や眠気などの不調が起こることが考えられます。
常は、朝になると自然に目が覚め、体温上昇とともに活動的になり、夜になると自然に眠くなる、といった体内時計が機能しています。
そのなかで24時間周期のものは「サーカディアンリズム(概日リズム)」と呼ばれます。
ところが、夜更かしや睡眠不足などの不規則な生活習慣や不摂生な食生活、さらには月経や更年期によるホルモンの乱れや、ストレスによる自律神経の失調などによって体内時計が乱れ、睡眠のリズムに障害が出る「概日リズム睡眠障害」が引き起こされることにより、日中の眠気や倦怠感が生じてしまうのです。

東洋医学では、倦怠感をともなう眠気の原因を「気(生命エネルギー)」の不足とされ、食事を十分に消化吸収できなかったり、活動する力を十分に生み出すことができなかったりする状態に陥ることで生じると考えられています。

次の章ではこのような「眠気をともなう倦怠感」を改善するための具体的な方法をお伝えしていきましょう。

眠気をともなう倦怠感を解消する対処法3選

1.深く良質な睡眠で自律神経を整える

日中に倦怠感や眠気を感じる原因のひとつとして、自律神経の乱れが考えられます。
乱れた自律神経を回復するためには、毎日決まった時間に起床・就寝することを心がけ、良質で深い睡眠を得ることが大切です。
そのためにも、就寝時間の3時間以上前には食事を終えて栄養の消化活動を終えておくこと、入浴はシャワーですませず、ぬるめのお湯にゆったり浸かって体を芯まで温め、心身ともにリラックスした状態で床に就くことをおすすめします。
また、脳をしっかり休めるためには、寝る前にブルーライトを発するスマホやパソコンを触るのを避け、暗く静かな環境で睡眠をとるようにしましょう。朝カーテンを開けて日光を浴びるなども体内リズムを整えるには有効とされていますので、ぜひやってみてください。

2.運動習慣を身につけて体質改善を!

倦怠感と眠気の解消には、運動不足を避け、ウォーキングやジョギング、スイミングなどの適度な有酸素運動で血液の巡りを良くすることが大切です。
こうした運動から得られるのは、睡眠の質を高める効果や全身の「気」や「血(血液)」の巡りを良くすることによるストレス解消効果だけではありません。血行改善により疲労の原因物質とされる乳酸が筋肉や肝臓で効率的に処理されることで、倦怠感の軽減や解消にも繋がるのです。
日常的な運動習慣を身につけて、眠気をともなう倦怠感を感じにくい体質に改善していきましょう。

3.栄養バランスのとれた食事を心がける

倦怠感の解消には、規則正しい生活に加えて、栄養バランスのとれた食事も必要不可欠です。
たとえ1日3回食事を摂っていても、糖質の摂り過ぎや野菜不足から栄養が偏っていると体の不調を招き、眠気やだるさを引き起こす原因になってしまいます。
適度な量の炭水化物に肉や魚、卵などのタンパク質や野菜、乳製品をバランスよく組み合わせて摂るように心がけましょう。
特に、果物に多く含まれるビタミンや、鶏の胸肉やマグロに多く含まれる「イミダペプチド」という成分には体のだるさの解消に効果があるといわれています。疲労感や倦怠感を強く感じる場合は意識的に摂るようにしてみてください。

根本的な体質改善には漢方薬が効果的!

眠気をともなう倦怠感を改善するために、市販薬やサプリの服用などの選択肢に加えて、根本的な改善を目的としている漢方薬の服用もオススメです。

特に、今回の相談者様のような症状に悩む方に適した漢方薬は、柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)です。精神的・肉体的ストレスから睡眠不足や睡眠リズムの乱れが生じている方の「気」を巡らせて、眠りの質を高めて症状を改善する効果があります。
また、食後の眠気や倦怠感に襲われる方には、「気」を補って消化吸収の力を高め、症状を改善する効果のある補中益気湯(ホチュウエッキトウ)も良いでしょう。

体内時計のリズムを整える生活を心がけましょう

今回は、眠気をともなう倦怠感に悩む方のためのセルフケアや漢方薬をご紹介してきました。
症状の改善のためには、体内時計を整えるためにも、不規則かつ不摂生な生活を改善して栄養バランスのとれた食事をし、適度な運動を取り入れることが大切です。
セルフケアを実践しても症状が解消されない場合は、何らかの病気が原因となっていることもあるため、我慢せずに医療機関で診断を受けるようにしましょう。
また、こうした気になる症状の改善には、漢方薬が大きな効果を発揮した例もたくさんあります。セルフケアを試してもなかなか改善しない場合は、ぜひお近くの漢方医や漢方薬局に相談してみてくださいね。

中田早苗

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗 薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート。TiktokやInstagramでファスティング・美腸を普及する活動も行っている。

プロフィール

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